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2023年 冬季賛助会員総会・研修会・交流会 @日本チタン協会

 『より多く、より広く、より便利に世界中でチタンを使ってもらえるようにする』ため、チタンの適用拡大、需要開拓に向けて取り組んでいる日本チタン協会は2月21日に学士会館にて、2023年冬季賛助会員総会・研修会・交流会を開催した。総会では協会活動状況が、研修会ではロシアのチタン産業について、及びチタン合金の活用動向・事例などが講演された。

 

 日本チタン協会は国際競争力強化への取組として、国際貿易問題、関税格差是正問題、電力料金問題等に関して政府・関係省庁への働きかけを継続するとともに、産学連携、研究助成による人材育成、安全交流会や啓発活動を通じた産業事故防止の徹底など産業基盤強化のための取組、及びカーボンニュートラルに対する活動を継続している一般社団法人である。

 

 さらに、スポンジチタン及び展伸材の内需、輸出を盛り上げるためにも、従来からチタン需要の裾野を広げるための開拓活動、チタンの規格化の推進、チタン需要開拓助成事業などの事業活動を継続し、『より多く、より広く、より便利に世界中でチタンを使ってもらえるようにする』ため、チタンの適用拡大、需要開拓に向けて取り組んでいる。

 

今回の研修会では、

 ロシアの状況に詳しい一般社団法人ロシアNIS貿易会の渡邊光太郎氏が「ロシアのチタン産業について」、(株)IHIの石井克佳氏が「航空機エンジン用チタン合金の動向」、本田技研工業(株)の笠鳥晋司氏が「チタン合金が拓く二輪車の世界」をご講演された。

 

日時、会場及びプログラムは下記のとおり。

 

1.日 時  2023年2月21日(火)14:00-17:00(懇親会〜19:00)

2.会 場  学士会館 210号室 東京都千代田区神田錦町3-28

3.プログラム

第1部 総 会                             

(1) 協会活動動全般の報告:専務理事 三木 基氏 

(2) 賛助会員部会の活動報告:賛助会員部会長 樫尾 善博氏

 

第2部 研修会 《新用途開発・ニュービジネス発掘研究会》  

(1)「ロシアのチタン産業について」(一社)ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所 渡邊光太郎 様

(2)「航空機エンジン用のチタン合金の動向」株式会社IHI 石井克佳 様

(3)「チタン合金が拓く二輪車の世界」本田技研工業株式会社 笠鳥晋司 様

 

第3部 交流会

 

2023年冬季賛助会員総会・研修会・交流会に参加企業は下記のとおり。

 

賛助会員:アズマックス(株)、(株)アロイ、大阪アサヒ商事(株)、北産業(株)、(株)SUS、三興鋼材(株)、神鋼鋼線工業(株)、双日エアロスペース(株)、トーホーテック(株)、東京ステンレス研磨興業(株)、(株)東京チタニウム、特殊技研工業(株)、奈良精工(株)、日鉄ステンレス鋼管(株)、日鉄工材(株)、阪和興業(株)、(株)平井、(株)ホリエ、森松T&S(株)、森村商事(株)、(株)吉増製作所

 

正会員:(株)大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウム(株)、(株)神戸製鋼所、日本製鉄(株)、大同特殊鋼(株)、三井物産メタルズ(株)、神鋼商事(株)、伊藤忠メタルズ(株)、日鉄物産(株)、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)

 

<2022年度 協会活動状況>

 総会では、三木専務理事が、2022年度の協会活動状況について報告した。

 

・総会・賛助会員総会活動実績

 2022年度臨時総会・理事会・表彰式・70周年記念大会・祝賀パーティー開催(11月22日)他

・各分科会・WGの活動状況

 各分科会・WGの活動は、コロナ禍の下、リモート会議の併用・活用により実施された。

・業務委員会、編集委員会、環境委員会活動報告

 編集委員会では、70周年記念誌の規格・編集(2023年3月発刊目標)

 環境委員会では、スポンジ、展伸材PCR(Priduct Category Rule)認定の年度内取得を目指して活動中

・技術委員会

 JIS改正、ISO標準化の推進、第15回『大学・高校の先生と学生のためのチタン工場見学会とセミナー』、チタン講習会など

・ISO/TC79/SC11国際会議(分科会及び総会)を日本で2022年10月に開催した。

 

 

<日本の金属チタンの出荷状況について>

 スポンジチタンの出荷推移(暦年)は、2020年はコロナの影響で大幅減となったが、航空機回復及びウクライナの影響で回復基調にあり、8月までのデータに基づく22暦年換算では、53千トンと、21暦年の43千トンを超えるとした。

 

 スポンジチタンの輸出先としては、米国が主体であったが、21年からはその他(中国など)の地域が増加していると説明した。

 

 一方、日本の展伸材の出荷量推移については、2019年から3か年連続で減少したが、2022年に反転し、22暦年換算では14千トンに至り、21暦年12千トンを超える。

 

 ここで、我が国における、金属チタンの生産量について振り返ってみると、1952年(昭和27年)にスポンジチタンの国産化に成功し、1954年には展伸材の工業生産も開始した。その後は、緩やかであるが着実に進展し、1990年代後半には、スポンジチタンは24 千トン、展伸材は13 千トンを生産する規模まで成長した。2019年(暦年)生産実績ではスポンジチタン58千トン、展伸材16千トンであった。

 

 図1及び図2に、日本の金属チタンの統計推移(暦年)を示す。数値は、日本チタン協会資料による。

 

 スポンジチタンの出荷量は、2019年には過去最高の60,737トンを記録したが、2020年に入ってから新型コロナ感染拡大影響による航空機大幅減産に伴い、特に米国向け輸出が急減して、34,098トン(前年比44 %減)と急減したが、2021年には航空機生産の一部回復による米国向け回復、中国向け増などのよって、43,488トンとなり、底を打った感がある。

 

 さらに、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシアへの経済制裁(ボーイングがロシアのチタン製品の購入を停止)に伴う米国展伸材メーカーからのスポンジチタン引き合い増などにより、日本スポンジメーカーの稼働率は上がってきている。

 

図1 スポンジチタンの生産及び出荷(国内・輸出)推移

 

 一方、展伸材の出荷量は、5年間連続で増加を続け、2018年には18,922トンとなったが、2019年には16,303トン(前年比13.8 %減)と減少に転じ、2020年には12,544(前年比23 %減)となった。

 

 2021年も11,834トン(前年比5.7 %減)と、減少を続けた。月ベースでは、2021年半ばに底を打った感があり、最新データでは2022年1-11月実績が、国内向け4,728トン、輸出8,125トン、計12,853トンとなり、年14,000トンベースまで回復している。

 

図2 インゴット生産及び展伸材出荷(国内・輸出)推移

 

<賛助会活動状況>

 賛助会員部会長[トーホーテック(株)]樫尾 善博氏により、賛助会の活動状況が報告された。

 

 賛助会員の推移は、2007年(188社)をピークに、やや減少傾向を示し、2023年2月1日現在では162社となった。

 

 賛助会員を対象とする、チタン需要開拓助成金制度があり、2023年度については、4月に社名が公開され給付される。助成額は1件50万円(上限)で総額100万円。チタンの需要開拓につながる活動の支援を目的とする。

 

 市場開拓活動として、賛助会員部会には、2つのWGがある。

  • ファスナーWG:WGでは、4年かけて高強度チタン合金ねじの特性を調査し、(一社)日本ねじ研究協会の団体規格FRSへの材質追加を働きかけている。タイトル:締結用部品-チタン合金製ねじ部品の機械的特性。Ti-6A-4V及びTi-15V-3Al-3Cr-3Snの追加
  • 福祉・医療WGがでは、チタン製ペット用はさみの開発を終了し、モニタリング準備中

 

 その他、チタン協会部会開発会議、船舶WGにも参画しており、2023年3月23日(木)〜26日(日)にパシフィコ横浜で開催されるボートショーで船舶用部品を展示し、PRする予定とした。

 

 賛助会員と正会員の交流会としては、夏及び冬に開催される賛助会員総会・研修会・交流会の他に、チタン講習会などがある。2022年9月に開催された三多摩会館・IHI瑞穂工場見学には、正会員15名、賛助会員6名が参加した。講師は正会員。

 

 また、西日本支部では、夏の総会及び冬の新年会で交流会が開催されている。

 

 研修会の風景:チタン合金が招く二輪車の世界

 

 研修会の内容については、今後、ご紹介させていただきます。

 

<記念誌の紹介>

 2022年11月22日(火)には、学士会館にて協会創立70周年記念大会が開催され、187名が参加した。この創立70周年記念大会に加えて、「70周年記念誌」の刊行が3月に計画されている。記念誌では、金属チタンに関わる多方面の方々により、直近20年間を中心にチタン産業、日本チタン協会の歴史を記録する予定。

 

 その他、製造技術の動向、用途分野の動向と展望、需要家による投稿、賛助会員による新規用途開発などが記載される予定。

 

<70周年記念誌の概要>

 仕様:A4版、約200ページ

 予定価格:税込み11,000円

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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