硫酸&硫黄市場近況2023夏 余剰感強く硫酸価格マイナスも秋に期待
2023/08/17 18:49
夏の硫黄、硫酸市場のファンダメンタルは春からほとんど変わっておらず相場は下落が続いている。硫酸はトン当たりFOB japanベースでマイナス10〜20ドル、硫黄はトン当たり30〜110ドルと幅広ではあるが、中心値は70ドル前後。高値は固形硫黄のブライスとなる。 2年前に硫酸が150ドルつけたときは遥か昔のことのように思える。
硫酸は国内外で実需不振。国内は肥料向けも頼みの酸化チタン向けもいまひとつふたつ。。需給バランスは崩れており余剰感強し。
(硫酸需給令和5年6月)
さりとて、硫酸の場合は貯蔵し続ける訳にもいかないので、継続的に出荷を続ける必要がある。それゆえに相場はマイナスとなっているのだが。
アジア地区(インド含む)でもCFR30〜50ドル、チリ向けCFRで90ドル前後。だが需要は弱い。フィリピンの住友金属鉱山のニッケル製錬(HPAL)向け硫酸需要は安定しているが。。フィリピン向けがなければなお相場は下落したことだろう。
アジアおよび中国市況はやや上向いているが、これはあまりにも硫酸相場が下がったために売りを止めていることが多少、影響しているかと思われる。
硫酸はこのまま値下がりを続けるのだろうか?
「9月、10月は例年、秋肥の需要が出てくる。中国でも金九銀十といって需要高まるシーズンでもあるので期待したい。
国内では10月〜11月に住友金属鉱山東予製錬所とJXの佐賀関で定期炉修がある。特に東予は今回2ヶ月の長期にわたるため、ここで国内の硫酸需給バランスは引き締まるだろう」と大手硫酸サプライヤー担当氏は見ている。
(iruniverse tanam)
関連記事
- 2024/05/20 神戸製鋼所:中期経営計画説明会を開催:企業価値向上に向けた重点施策
- 2024/05/20 神戸製鋼所:中期経営計画説明会を開催:前中計の振り帰りと新中計の「変革」
- 2024/05/20 フジクラ:社長ミーティングを開催した模様
- 2024/05/20 国内伸銅品PSI実績Report #49 銅条販売まだ回復せず
- 2024/05/20 中国景気刺激策への好感などLME亜鉛上昇、国内建値は3円引き上げの526円
- 2024/05/20 DRCコンゴは中国企業の操業再開を許可した
- 2024/05/18 SDGs花盛りの時代に・・改めてのリサイクル「考」&「喝」
- 2024/05/17 会話で読み解くLME入門24#米・英のロシア輸産入禁止措置で銅は1万ドル超えーー続伸する非鉄市場
- 2024/05/17 米利下げ期待でLME銅続伸、国内銅建値20円引き上げ1650円に
- 2024/05/17 「リスク分散の観点から調達先の多様化を進めている」――最新の国内銅スクラップ輸入動向