中国科学院(CAS)の青海塩湖研究所(ISL)は6月10日、ホームページ上で、「塩湖の塩水からのルビジウムの直接抽出に成功した」と発表した。6月13日の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国はルビジウム鉱石をカナダやジンバブエから輸入している。対外依存が下がれば、中国のレアメタル分野での貿易競争力がさらに高まることになる。
■カリウムから商業ベースのルビジウムを生産
プレスリリース:青海盐湖所在察尔汗盐湖提铷研究领域取得新进展----中国科学院青海盐湖研究所
発表によると、同研究所の学者らはルビジウム含有量が非常に低い(<0.001%)カルハン塩化カリウム原料から塩化ルビジウム製品(純度99.9%)を生産することに成功し、生産方法も確立した。また理論的な裏付けも行った。
■生産量希少も米国が2022年に重要鉱物リストに採用
ルビジウムはリチウム鉱石であるリチア雲母の副産物として採取される重要鉱物の1つ。海水中を含め広く潜在し、中国にも一定の埋蔵があるが、用途が乏しく世界的に生産量は少ない。
主にエレクトリック材料として用いられ、ガラスの強度向上のための添加剤や、原子時計、電子送信機の周波数安定などに使われる。米国地質研究所(USGC)は2022年から、ルビジウムを重要鉱物リストに加えている。
米国の重要鉱物リスト(2022年):U.S. Geological Survey Releases 2022 List of Critical Minerals | U.S. Geological Survey
(IR Universe Kure)
 
     
             
             
             
            