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2026年国際自動車リサイクル会議IARC展示会会場ブース訪①Wattloop

2026/03/30 22:03 FREE
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2026年国際自動車リサイクル会議IARC展示会会場ブース訪①Wattloop

ドイツハンブルグで開催された国際自動車リサイクル会議IARCの展示会会場からシリーズで展示企業を紹介する。まず第一弾はベルギーのWattloop。

Wattloop

ベルギー発の「Wattloop」は、使用済みEVバッテリーの診断と認証に特化したスタートアップ。 車両から取り外されたバッテリーをリサイクラーや解体業者の拠点で直接テストし、安全性や残存性能、リユース・再販の可能性を評価することで、二次利用市場に信頼性の高い情報を提供する。

ベルギー・ヘントに本社を構え設立からまだ半年ほどだが、すでにベルギー、オランダ、ノルウェー市場で事業を展開し、フランス市場への進出も視野に入れる。 PRO(生産者責任組織)のオペレーターと連携、Febelauto(PRO)から回収する多様なEV用バッテリーをセカンドライフ活用を手がけるSortbatなどの施設で診断しているという。 

Wattloopが参入した市場は、まだ「始まりの段階」だ。EVバッテリーの修理、リマニュファクチャリング(再製造)、定置用などへのリユースといったネットワークインフラは、欧州でもまだ十分整っていない。 そのため同社は、製品面・商業面の両方でフィードバックを集め、早期にエコシステムの一部として組み込まれることを目指している。EVバッテリーのテスト・認証市場は、EU規制とEV普及を背景に今後10年で急拡大が予測される分野だ。

規制面では、EU電池規則に基づく「デジタル・バッテリーパスポート」の導入が大きな転換点となる。 2027年以降、一定容量以上のEV・産業用バッテリーには、製造情報や性能、炭素フットプリント、回収・再利用履歴などをQRコードで追跡できるデジタルパスポートが義務づけられる予定だ。 Wattloopは、解体業者のCRMシステムに自社の診断データを直接連携させることで、PROへの報告やパスポート情報の更新に活用できる仕組みを構想している。

現時点では、バッテリーパスポートの本格運用はまだ始まっておらず、OEMと連携した実装も研究段階にとどまる。 それでも、Volvoなど一部メーカーの先行事例も出始めており、EVバッテリーの「見える化」とトレーサビリティは不可逆の流れだ。 Wattloopが提供する診断・認証とマーケット向けのバッテリー証明書は、こうした規制環境の下で、二次利用バッテリー取引の信頼を担保する基盤となる可能性がある。

今後の地理的な成長について、同社はまず欧州本土と英国での基盤固めを優先する考えだ。 EVの解体・リサイクルはきわめてローカルな産業であり、地域ごとの解体業者と密に連携して足場を築く必要があるためだ。 日本市場への進出にも意欲は示すが、「まずは欧州市場を固めてから」と慎重な姿勢である。だが、EVバッテリーのセカンドライフ活用とリサイクルが世界的な課題となる中で、Wattloopのようなプレーヤーが担う役割は、欧州の枠を超えて拡大していきそうだ。

 

By Y.SCHANZ, Hamburg, Germany

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