日本アルミニウム合金協会は23日都内のホテルで「令和6年アルミニウム合金協会賀詞交歓会」を開催した。冒頭挨拶に立った香山昌志会長は、「(経済産業省の統計によると)1月から11月の国内自動車生産台数は前年同期比16%増だった」と2023年の自動車生産の回復を振り返りながらも、「下振れがなくなったレベルで決して好調ではない」と指摘。その上で、「(原料のアルミスクラップの)発生量の減少、海外流出でスクラップの価格は高止まりする状況が続いた」とし、協会として「国内自動車生産の回復により増加する合金需要に対応し、原料となるスクラップの調達、原材料の価格変動にも的確に対応していく必要がある」との認識を示した。

香山会長
来賓として挨拶に立った経済産業省の製造産業局金属課金属技術室の川村伸弥室長は、経済の好循環へ当面の焦点となっている賃上げ問題に関連して次のように言及した。「金属製品・製造業における労務費率の価格転嫁率は36.3%と他の業種に比べ進んでいない」とし、昨年11月に公正取引委員会が策定した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を挙げながら、「皆様の価格転嫁が前向きに進むよう色々な対策を講じていければ」と同省を含めた政府の取組について言及した。

川村室長
開宴の音頭を取った仲村嘉員副会長は、年初に発生した能登半島地震による被災者へのお見舞いの言葉と早期復興への期待を述べて、「ご安全に」と発声した。

仲村副会長
中締めの挨拶をした林繁典副会長は、「新語・流行語大賞2023」の年間大賞に選出された阪神タイガースの岡田彰布監督の「アレ(A.R.E.;Aim・Respect・Empower)」に倣って、「Aluminium・Recycling・Revolutionということでアルミニウムをリサイクルの側面でより進化させていかなければいけない」と、業界の今後の発展を期した。

林副会長
(IRuniverse G・Mochizuki)