
ステンレススクラップのグローバルリーダーであるオリックス・ステンレス・グループ(Oryx Stainless Group)は、マレーシアのジョホール・バル(Johor Bahru)に新施設「ORYX STAINLESS MALAYSIA SDN. BHD.」を開設し、5月9日にグランドオープンを迎える。東南アジア市場におけるステンレススクラップの中核集荷処理拠点として、原料供給体制の強化を図る。
オリックス・ステンレスは2012年、ジョホール・バルに土地を取得し、東南アジアにおけるサープライアおよび顧客へのサービス向上を目的に、合金スクラップのアドバンスな集荷・出荷施設の整備を進めてきた。敷地面積は2万㎡を超え、国際的なコンテナ取引に最適な設備を備えている。
オリックス・ステンレス・グループは、オランダのオリックス・ステンレス・ホールディングB.V.を親会社とし、スペイン、ドイツ、タイなどに拠点を持つ、ステンレス生産用の原料としてのスクラップ取引・加工における国際的リーディングカンパニーである。現在、世界で年間50万トン以上のステンレススクラップを集荷している。マレーシアでは月間6000トンのステンレススクラップを集めたい、と2年前のバンコクでは話していた。
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今回オープンするジョホール・バル(シンガポール国境付近)の施設は、アジアで二つ目の子会社となる。同社によれば、本施設は「ステンレスのサーキュラーエコノミー(循環型経済)における製品フローを支える拠点であり、最大90%の電炉投入率を実現する運用モデルを示す」としている。
Recycling Todayが2023年2月に伝えたところによると、マレーシア国内にはステンレス合金製品の製造工場はあるものの、ステンレスの溶解炉は存在しない。そのため、同国に1,000社以上存在するステンレス製品メーカーは、国内で再利用されない価値あるスクラップを発生させているという。
この新施設に関する詳細について、MIRUの取材依頼メールに対し、同社からの回答はまだ得られていない。今後の動向については、引き続き情報を追っていく。
(IRuniverse Lin)