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オマーン、鉱物輸出管理の国有企業を設立 クロム鉱石などの輸出を管理へ

2025/05/29 18:10

 西アジアの資源国であるオマーンが輸出管理の厳格化に乗り出した。同国のエネルギー鉱物省が、資源輸出の管理機関となる国営企業「オマーン鉱物貿易会社(Oman Minerals Trading Company)」の設立を発表した。現地英字紙の「タイムズ・オブ・オマーン(Times of Oman)」が5月27日に伝えた。

 

■国家統括の産業システム整備

オマーン地図

(出所:JOGMEC)

 

 報道によると、新会社はまずは石膏とクロム鉱石の輸出管理を厳格化する。未精製のクロム鉱石は濃度36%以上を輸出対象製品の最低水準とする。加工済み鉱石は濃度を問わない。また、採掘企業にはまず国内需要を優先し、自国製造業の育成に貢献するよう求める。

 

 オマーンは原油が輸出の7割超を占める資源国だ。鉱物は石膏やクロム鉱石のほか、銀や金、ボーキサイト、ニッケル鉱石などを生産するが、原油に比べ規模は小さい。鉱業の状況も、不完全な市場調査や言い値での取引、仲介業者の支配などが横行しており、供給網(サプライチェーン)自体が不完全な状況だ。このため、同国政府は今回の新会社の設立を通じ、国により統括された鉱業の産業システム作りに結び付けたい考えだ。

 

■日本とは脱炭素で協力

 一方で、オマーンは新エネルギー分野にも乗り出す。2019年に国家戦略「オマーン・ビジョン2040」を発表し、国内総生産(GDP)に占める非石油部門の比率を現状の6割程度から9割以上に引き上げる目標を掲げた。海水を電気分解して作る「グリーン水素」の生産にも取り組む。日本勢はエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が2023年、脱炭素分野での同国との連携を発表した。

 

(IR Universe Kure)

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