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NY銀価格が13年ぶり高値 金への出遅れ感で、25年は1億1700万オンスの供給不足に

2025/06/06 10:15

 銀価格が上昇している。 ニューヨーク商品取引所(COMEX)での銀価格は6月5日に一時$36.205/tozと、2012年2月以来およそ13年3か月ぶりの高値を付けた。過去最高値圏を続ける金に比べた出遅れ感に注目した買いが入った。工業向けなどの需要が堅調で、供給不足からの価格上昇が続くとの期待も続いている。

 

過去15年間のNY銀価格の推移($/toz)

 

 NY銀の上昇率は2025年年初から6月3日までの上昇率が19%と、金の38%に比べ見劣りしていた。過去1年間の値動きを比べても、ほぼ一本調子で上り詰める金に比べ上値の重さが目立つ。米ドルが対他国通貨で下落する中、投資家がドル以外の安全資産を探す動きが広がり、過熱感のある金を避けて銀を買う動きが強まった。

 

過去1年間のNY金価格と銀価格の推移($/toz)

 

 銀は実需も堅調だ。宝飾品や食器向けのほか、自動車生産や太陽光発電などの生産時に使われるなど工業向けが多く、底堅い需要が期待できる。国際業界団体のsilver Instituteが4月に発表したレポートによると、2024年の世界の銀の供給量は10億1510万オンス、需要は11億6410万オンスで、1億4900万オンスの供給不足だった。

 silver Instituteは、2025年は供給量が1.5%程度増えるものの、需要が11億5000万オンスほどと高水準を続けると予測。1億1700万オンス程度の供給不足が続くとの見立てを示した。

 

2024年の銀需給

(出所: silver Institute)

 

(IR Universe Kure)

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