豪州のメルボルン近郊にあるMonash大学の研究者らは、使用済みリチウムイオン電池から重要鉱物・金属を回収する溶媒抽出システムを開発し、よりクリーンな手法としてこれを提案している。1月上旬に論文が発表されたようで、1月22日、複数の豪州資源系メディア(オーストラリアン・マイニング紙、ディスカバリー・アラート紙、Mining.com.au紙など)がこの研究を取り上げている。さらに、4月17日号のSustainable Materials and Technologies誌にも同研究の詳細が掲載されるようで、内容はすでにこちらから確認できる。研究者(執筆者)は、同大学の博士課程に在籍するParisa Biniaz氏、Parama Banerjee教授らのチームである。
この革新的な回収・抽出方法は、従来の高温かつ化学薬品を多用する手法に比べ、環境に優しく安価な液体である低毒性の深共晶溶媒を設計し、コバルト、ニッケル、マンガンを高純度で選択的に沈殿させるというもの。浸出液の過飽和状態を精密に制御することで、強酸や還元剤の添加、あるいは幾度にわたる精製工程を必要とせず、独立した固体として金属が結晶化するという。結果的に、試薬使用量、エネルギー消費、そして廃棄物の削減を実現しながら、新規電池への再利用に適した高価値製品を生み出すことが可能となる。
オーストラリアン・マイニング紙(1月22日)は、“この手法により、需要の高い鉱物に関して回収率95パーセント以上を達成した”とのBanerjee教授のコメントを紹介。さらに同教授は、「これは穏和な溶媒を用いて使用済み電池廃棄物から高純度鉱物を選択的に回収した初めての報告です」、「リチウムイオン電池だけでなく、その他の電子廃棄物や鉱山廃石からも貴重な金属を回収する道筋を開くものです」とコメントしている。
(IRUNIVERSE A.C.)