スイスICM主催による2026年国際自動車リサイクル会議が、ドイツ・ハンブルグで25日から27日まで開催される。本会議は今年25回目を迎えるため、オープニングでは、ステアリングコミッティー会長のオリビエ・フランソワ氏のオープニング挨拶に続き、ベルギー自動車リサイクル協会会長のキャサリン・レナール氏から誕生日ケーキの進呈というサプライズがあった。(ケーキはコーヒーブレークの際、参加者にふるまわれた。
初日25日、会場となったホテル・グランドエリゼには欧州を中心に世界から約250人が集まった。ホテルロービーには展示会場も設けられており、ブースにはオランダAD Rem、フィンランドFinish Car 英Recycling Silverlake Automobile, 米 Greentec Auto、 独 Sterinert 、独ATMRecycling Systemなどの顔ぶれが見られる。スポンサー は Autocirc、Greentec Auto、Silverlake Automotive Recycling、 Techement、 REON Groupなど。パトロンは、EGARA、JAMA、JARAをはじめとする業界団体。メディアパートナーは、日本から唯一のMIRU、Recycling International、Auto Recycling Worldなど7社。
新ELV規則
現在EUでは、使用済自動車規則(ELVR)の発行が目前となっていることから、多数の参加者の興味はその最終内容だ。初日午前のプログラムのセッション1ではELVRをテーマに議論が行われた。ELV規則の内容は定まったため、発効を待つばかりだ。その後は枠組みとなる規則を補完する複数の二次法令の発表という流れになる。IARC会議では、欧州委員会からELVR担当者によるプレゼンテーションと質疑応答が恒例となっており、今回も環境総局からフイスッマン氏がオンサイト参加予定だったが、急遽不可となったとのことで、録画ビデオ参加となった。フイスッマン氏によると、ELV規則の発効は今年夏頃となるようだ。
同氏のプレゼンテーションでは、ELV規則案をめぐるこれまでの審議状況や欧州議会・理事会による法案はの立場などの説明があった。欧州委員会による提案書の内容から、多数を修正が加えられたが、フイスッマン氏は、法案における主要目的や構造は維持されたと評価した。主要な変更内容については、解体時の取り外し義務については、より効率的に部品・コンポーネントのリユース、リマニュファクチャリング、回収を可能にする要件となっている。プラスチック再生材最低含有含有目標値については、欧州委員会提案の目標値からはかなり低い数値が設定された。(25%から15%)一方で、数値は段階的に引き上げられることになり、規則発効から10年後には25%を達成する必要がある。今回の規則では具体的な数値は設定されていないが、フイスッマン氏は、アルミニウムとスチールにおける目標値を設定する必要があることを強調した。今回の規則文章では、アルミ・スチールについては、実行可能性評価を実施した上で、欧州委員会が数値を提案することになっている。加えて、これまで見過ごされてきた規制の「強制力」に関しても今回は焦点が当てられ、これを強化する措置が加えられている。
欧州自動車工業会(ACEA)の政策担当者ヴェッキオーネ氏は、ELV規則をめぐる自動車業界の反応についてトークを行った。同氏は、今回の規則内容は、業界にとって厳しいものでもあり、取り組み課題が多数あると述べた。今後は自動車業界は規則へ対応するために、ステークホルダー同時の協調を堅固にし、二次法令の開発に全面的に協力していく所存だと述べた。ドイツ環境省のコルメイヤー氏は、新ELV規則は自動車の原材料リサイクルに非常な重要な役割を果たすものだと評価した。
自動車の循環性推進
午後のセッションは、材料リサイクルをテーマにパネルディスカッションおよび2つのセッションが行われた。原材料の循環も新ELV規則下で重要な取り組み事項となる。パネルディスカッションでは、「EUのサーキュラーエコノミーと原材料レジリエンス」を議題とし、プラスチックリサイクラー、業界団体が参加し議論が行われた。
ヒュンダイのウンガー氏は「サーキュラーエコノミーは現在EUのレジリエンスと自律性の推進には不可欠なツールだ。しかし現在EUは前に向かって進んでいるのか」と問いかけた。自動車セクターにおいても、必要なのはサーキュラーエコノミーでありその理解である。ELV規則の準備が整い、規制レベルでの循環性を促進するツールが整った。では、実際に対応しなければならない産業側はどうなのか?プラスチックヨーロッパのリフェリンゲ氏は、業界の意見として、ELV規則に設定されている6年後に15%のプラスチック再生残最低含有量目標値については、達成は十分可能だと答えた。
初日最後のセッションは、自動車産業における脱炭素化をテーマに、グリーンメタルのインパクトについて登壇が行われた。グリーンメタルの推進はコストが大きな障壁となっているが、業界はこうした障壁をどのように乗り越えていくのか。欧州委員会の研究機関JRCからは自動車に使用されている再生材の現状と今後の予測についての分析が報告された。フランスのIMT-IDDRIからは、自動車のスチールのクローズドループプロジェクトの紹介があった。プレゼンテーションの詳細については別途報告する。
初日の夜は、ネットワークディナーで締め括られる。
By Y. SCAHNZ, from Hamburg, Germany