2026年2月13日現在のレアメタル系スクラップ市場は、昨年末からのニッケル相場上昇、最高値更新を続けるタングステンAPT相場により、多くの品目で強含みの展開を見せている 。タングステンやニッケル、銅、タンタルを含むアイテムの引き合いが強く、短期間での一段高が予想される 。一方で、チタンスクラップは世界的な在庫過剰により低空飛行が続いており、品目による明暗が鮮明となっている 。
【チタン】
- 純チタン板スクラップ(新断)「⤴」:300~350円/kg(*専業ディーラー買値ベース、以下同)
- 合金6-4チタンダライ粉「→」:150円/kg
- 合金6-4チタンスクラップ「→」:200円/kg前後
- フェロチタン「→」:実勢 4.7ドル/kg前後
昨年末に底を打った感のあるチタンスクラップ相場だが、依然としてロシア産フェロチタンの流入とスクラップの荷余りで世界的な在庫過多が解消されていない 。海外市場でも「相場は全く動いていない」との声が多く、純チタンスクラップの市場価格は実勢400円/kg前後で停滞。合金チタンダライは150円前後。一方で航空機部品向けとなるチタンコブル製品は安定的な需要がある。
【工具類】
- ダイス鋼(SKD61)「→」:60円/kg
- ハイス(ミックス)「⤴」:400円/kg
- ハイス(一品もの):500円/kg
- 超硬スクラップ「⤴」:10,000円/kg
タングステン系は昨年来、中国の輸出規制の影響でAPT、YTOの輸入が激減。スクラップは世界的な発生減と売り渋りにより極めて強い引き合いが続いている 。超硬スクラップは中国市場の高騰を受け、入札ものでは10,000円でも落札が困難な状況 。13,000円〜14,000円水準まで達しているものもある。
【モリブデン系】
酸化モリブデン 30~33$/lb 急騰
- モリブデン新切れスクラップ 7000~7500円/kg
年初から上昇している酸化モリブデンは米国のフェロモリブデン工場での火災事故、大手銅鉱山でのストライキなどで急上昇、ポンド当たり33~36ドルまで上昇している。→(関連記事)Langeloth Metallurgical Companyのモリブデン工場(ワシントン)で爆発事故 米国唯一のフェロモリブデン工場
フェロモリブデンはキロ当たり55ドル前後まで上昇。伴ってモリブデンスクラップはキロ当たり7500円前後の高値をつけている。

(最近3か月の酸化モリブデン相場の推移 $/lb)
【タンタル】
- タンタライト「⤴」:100ドル/lb
- タンタルスクラップ(PIN)「⤴」:40,000円/kg
メタルタンタルの需要が非常に強く、タンタライトも100ドルの節目を記録した 。これによりタンタルPINスクラップも40,000円程度が標準となっている。これまでのタンタライトは100ドルを打つと下落に転じてきたが、今回はいかに。
【ステンレス・耐熱系】
・SUS304「↑」:185~195円/kg 上昇
・SUS310「ー」:400~420円/kg。上昇かつ上げ含み
・SUS316「↑」:350~370円/kg 上昇
・SUS330「↑」:600~630円/kg。上昇
・SUS430「→」:65~70円/kg。前月から横ばい
ニッケル相場の好調を受け、ステンレス系およびハイニッケル系スクラップは12月から継続的な上昇トレンドにある 。前月平均からの伸びを反映しており全面高。世界最大のニッケル生産国インドネシアの動向を含め、今後も上昇基調が続く可能性が高い。
(関連記事)→ インドネシア最大鉱山の減産でニッケル価格急騰
【ハイニッケル合金系】
・42アロイスクラップ「↑」:750~800円/kg。前月から上昇
・インコネル718「↑」:1000~1100円/kg。前月から上昇
・インコネル625「↑」:1100~1200円/kg。前月から上昇
・インコロイ800「↑」:600~650円/kg。前月から上昇
・ハステロイX「↑」: 700~780円/kg。前月から上昇
・ハステロイC「↑」: 810~910円/kg。前月から横ばい
(IRUUNIVERSE)