米資源ヴァータス・ミネラルズ(Virtus Minerals)は3月31日、自社ホームページ上で、「コンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)の民間コバルト企業チェマフ・リソーシズ(Chemaf Resources)を買収した」と発表した。コンゴのコバルト産業は中国勢の支配が強く、チェマフもかつて鉱山売却を巡り米中の応酬があった。資源確保で米中対立が先鋭化している。
■元米軍関係者がトップ、「トランプのために」買収
プレスリリース:Exclusive | In Win for Trump, U.S. Firm Acquires Huge Congolese Cobalt Miner - WSJ
ヴァータスは自社ホームページに米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事を転載する形で発表した。買収額は3000万ドル(約48億円)。ヴァータスは3月中に、買収計画がコンゴ政府や同国国営鉱業のジェカミンの承認を受けたとも発表していた。
買収は「トランプのために」とし、米政権の意向に沿ったものとしている。ヴァータスの経営陣は米軍の元関係者で、米政府との関係は深い。
■中国軍需企業への資産売却はとん挫

ヴァータスは今回、買収額とは別に、約7億2000万ドルの投資調達をチェマフに対し約束した。チェマフはカナダ資源のトラフィグラなどからの融資が返済できず、担保無担保を合わせてほぼ同額の債務を抱える。
2024年夏には中国国有軍需の中国兵器工業集団に資産を売却しようと計画したが、ジェカミンを通じた米国の介入でとん挫した経緯がある。
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コンゴは洛陽モリブデン業(チャイナ・モリブデン、CMOC)をはじめ中国勢が、物流や推理などのインフラを含めて支配する。一方で米国はコバルトを含む重要鉱物の確保を急ぐ。コンゴ政府としては隣国ルワンダの支援を受けるとされる反政府組織の制圧が目下の優先事項で、米国の後ろ盾が欲しい。米国はコンゴのこうした事情を利用し、中国のアフリカ支配を切り崩しにかかっている。
(IR Universe Kure)