Loading...

2026年国際自動車リサイクル会議IARC展示会場ブース訪問②CyclicMaterials

2026/04/01 17:10 FREE
文字サイズ
2026年国際自動車リサイクル会議IARC展示会場ブース訪問②CyclicMaterials

ドイツハンブルグで開催された国際自動車リサイクル会議IARCの展示会会場からシリーズで展示企業を紹介する。第2弾はカナダのCyclic Materials。

CyclicMaterials 

カナダに本拠を置くCyclic Materials社は、自動車やその他製品に使用される磁石含有部品から希土類元素を回収し、磁石材料として再供給することに特化したリサイクル事業を展開している。同社は、使用済みEV駆動モーター、産業用モーター等から回収した磁石を処理し、磁石濃縮物へと転換したうえで、さらに混合希土類酸化物(MREO)を抽出する技術を開発している。展示会場のブースでは、実際の材料サンプルを提示しつつ、来場者に対しこれらのプロセスの概要を順を追って説明する。

同社は現在、カナダ・オンタリオ州キングストンおよび米国アリゾナ州メサに拠点を有しており、北米全域において希土類磁石リサイクル施設のネットワーク構築を進めている。この取り組みには、カナダにおける同社の「センター・オブ・エクセレンス(Center of Excellence)」の拡張に加え、米国サウスカロライナ州に希土類リサイクル・キャンパスを設立するための8,200万米ドルの投資が含まれる。さらに、同社は2026年1月にはシリーズC資金調達ラウンドにおいて7,500万米ドルを調達している。将来構想としては、欧州へも事業を展開し、現地で回収された使用済み製品から希土類を抽出して、そのまま欧州のサプライチェーンへ戻す「地域循環型モデル」の実現を目指す。

ターゲット市場は自動車業界にとどまらない。レアアース磁石を搭載する製品は、内燃機関車からEV、ハイブリッド車、eバイク、eスクーター、家電、産業機械まで多岐にわたる。 インタビューの中で担当者は、「磁石を使うあらゆる製品が潜在的な原料源だ」と語り、こうした幅広い用途を背景に、アジア市場とくに日本・韓国を重要な成長エリアと位置づける考えを示した。

規制や政策の観点では、地域ごとに焦点が異なる。Cyclic Materials の担当者は、欧州では自動車部品のリサイクル率向上や循環経済(サーキュラリティ)の推進が政策ドライバーになっている一方、北米ではサプライチェーンの安全保障、特に中国依存を減らす観点からレアアースリサイクルへの関心が高いと指摘する。 日本はその両面を重視しており、重要金属の供給確保と資源循環の同時達成を目指している点で「両方の側面にまたがる存在だ」と評価した。

世界的に見ると、レアアースのリサイクル率は依然として1%未満とされ、膨大な潜在資源が使い捨てられている。 Cyclic Materialsは、「スクラップを新たな供給源に変える」ことを掲げ、北米を足がかりに欧州、アジアへと事業エリアを広げようとしている。 レアアースをめぐる地政学的リスクが高まる中、同社のようなプレーヤーが築くリサイクルルートは、脱炭素と資源安全保障の両立に向けた要になりそうだ。

 

By Y.SCHANZ, Hamburg, Germany

 

関連記事

新着記事

ランキング