5月20日10時、日本冶金工業は8日に発表した26/3期決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。冒頭浦田社長から挨拶があり、その後小林副社長が説明を行った。

関連記事
⇒「日本冶金工業:26/3期決算、「中期経営計画2026-2028」を発表」
<26/3期決算実績>

〇実績
26/3期は、販売数量の減少やニッケル価格の下落などの影響を受け、前年度比で減収減益となった。
売上高1,509億円(前年度比 212億円減、12.3%減)、営業利益110億円(同 60億円減、35.3%減)、在庫評価損益を除く営業利益107億円(同 88億円減、39.3%減)、当期利益72億円(同 44億円減、37.7%減)。
●減益の主な要因
・販売数量の減少
高機能材(▲4千トン)、一般材(▲7千トン)ともに減少し、27億円の減益要因となった。
・販売価格の下落
円高、Ni-LME価格の下落に加え、高機能材の販売構成の変化が影響し、70億円の減益要因となった。
・コスト要因
人件費や減価償却費などの固定費が増加(▲28億円)し、原料費の下落による増益効果(+48億円)を一部相殺した。
<27/3期業績予想>
〇予想
販売数量の増加やニッケル価格の上昇を背景に、増収増益を見込む。
売上高1,690億円(同 181億円増、12.0%増)、営業利益130億円(同 20億円増、18.5%増)、在庫評価損益を除く営業利益111億円(同5億円増、4.3%増)。
●前提条件
ドル為替 155.00円/ドル、LMEニッケル価格7.50ドル/ポンドと想定。
●成長の期待要因
半導体関連の需要復調や、アンチダンピング(AD)関税の発表に伴う輸入材から国内材への回帰を注視。
〇部門別・市場動向
●ステンレス一般材
・26/3期は建設資材分野が停滞したが、半導体製造装置向けは在庫調整から回復の兆しが見え始めている。
・輸入材は26年1月より減少傾向にあり、AD税発令を見越した調整が行われていると推測される。
●高機能材
・半導体関連:AI投資の拡大に伴い、高強度材(プレスプレート等)が堅調に推移。
・エネルギー・環境:インド向けの排煙脱硫装置(FGD)需要は継続しているが、中国での太陽光関連や欧州の水電解向け純Ni材などは、案件の遅れや現地材への置き換わりにより苦戦している。
・新区分:新中期経営計画より、一部の製品区分を一般材から高機能材へ変更し、高機能材の収益基盤を再定義した。
〇財務状況・キャッシュフロー
・資産・純資産
収益の積み上げにより、純資産は初めて1,000億円を超え、1,013億円に到達した。
・自己資本比率
46.1%に向上し、ネットD/Eレシオも0.65に改善するなど、財務体制は着実に強化。
・キャッシュフロー
大型戦略設備投資が一巡したことで、フリー・キャッシュフローが42億円のプラスに転じた。
〇中期経営計画 2026-2028
将来に向けて持続的な成長を遂げるため、新たなビジョンを策定した。
●目指す姿
「ニッケル・高合金・ステンレス市場のトップサプライヤーとして新領域へ挑戦し進化を続けるレジリエントカンパニー」。
●主な方針
世界で唯一のニッケル精錬からの一貫生産体制(大江山・川崎)という強みを活かした競争力の強化。新区分に基づいた高機能材部門の拡販と、収益基盤の強化。
●設備投資
高水準の投資は一巡したが、今後3年間で総額380億円規模(実行ベースで年平均100億円規模)の投資を継続し、収益基盤の強化を実行する。
〇株主還元
安定的な配当の維持と、利益水準に応じた還元を重視。
●26/3期
期末配当110円(年間220円)を実施へ。
●27/3期(予想)
前年度並みの年間220円を維持する予想。
●還元方針
新中期経営計画では、総還元性向35%以上、またはDOE(自己資本配当率)3.0%以上を目標。
(IRuniverse 井上 康)