トルコ統計機構(TUIK)のデータによると、2026年4月のトルコの熱延コイル(HRC)輸入量は前年同月比46.6%増の33万4854トンとなった。前月比では3月の30万9519トンから増加した。2026年1月から4月の累計輸入量は、前年同期の105万5497トンから8.14%増の114万1412トンに達した。
中国は順位を維持するも、実際は減少
4月のトルコのHRC輸入上位3カ国はロシア、中国、マレーシアの順だったが、前年同期比の動向を見ると、順位だけでは見えない実態が浮かび上がる。中国は依然として輸入量最大の供給国だったが、1月から4月の期間における対トルコ出荷量は前年同期比39.83%減となった。一方、ロシアの出荷量は8.87%増と比較的小幅な伸びにとどまった。
最も目立った変化はマレーシアと台湾だった。マレーシアからトルコへのHRC出荷量は、2025年1月から4月の504トンから、今年同期には22万2508トンへと急増し、増加率は44,000%を超え、マレーシアはトルコの供給国の中で第3位に浮上した。台湾の出荷量は259.68%増の14万2744トンとなった。対照的に、エジプトからの出荷量は21.95%減の9万2552トンにとどまった。
トルコのHRC輸入上位5カ国(1月-4月)
| 国 | 2026年1月-4月(トン) | 2025年1月-4月(トン) | 前年比(%) |
|---|---|---|---|
| 中国 | 292,762 | 381,850 | -39.83 |
| ロシア | 248,980 | 228,696 | +8.87 |
| マレーシア | 222,508 | 504 | +44,031.34 |
| 台湾 | 142,744 | 39,687 | +259.68 |
| エジプト | 92,552 | 118,585 | -21.95 |
| 合計 | 1,141,412 | 1,055,497 | +8.14 |
平板鋼材貿易における既視感のあるパターン
マレーシアと台湾への急激な傾斜は、今年トルコの平板鋼材の輸入構成で見られた他の動きとも重なる。貿易構造の変化に伴い、従来の二次的供給国が急速に新たな供給国に取って代わられるという構図だ。トルコは2024年以降、中国、インド、日本、ロシア産の熱延鋼材に対し反ダンピング関税を維持しており、今年は別途、中国産の冷延・表面処理鋼板に対して最大36%の最終ダンピング・マージンを設定している。マレーシアと台湾からの輸入量の急増が、実際に新たな調達関係を反映したものなのか、それとも他国原産の製品が第三国を経由して持ち込まれているのかは、トルコの貿易当局が注視するであろう論点だ。特に、わずか504トンから22万トン超への1年間での増加は極めて異例な規模であることを踏まえると、その疑問はなおさら強まる。
出典:トルコ統計機構(TUIK); SteelRadar