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日本製鉄:EVR社買収説明会

 2月22日16時、日本製鉄は前日夜に発表した「カナダElk Valley Resources Ltd.の株式等取得について」ウエブにて説明会を開催した。説明資料はこちら。説明会はQ&Aを含め40分程度で終了した。

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 ⇒「日本製鉄:カナダElk Valley Resources Ltd.の株式等取得について

 

<投資概要>

➣世界第⼆位の製鉄⽤優良原料炭サプライヤーであるTeck社が保有する製鉄⽤原料炭事業をスピンオフによりElk Valley Resources Ltd.(以下EVR社)に分離・上場に対して同社がEVR社の普通株式等の一部を取得。
➣投資額︓約1,100億円。
➣製鉄⽤原料炭の中でも⾼品質な強粘結炭をEVR社から⻑期に亘り安定調達することが可能となるオフテイク権利契約を締結した。

 

〇狙いは2点

同社経営戦略上必要不可⽋な製鉄⽤原料炭権益確保

 カーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスにおいても必要不可⽋な⾼品質製鉄⽤原料炭の安定調達を図っていくため。

●優良原料権益確保による同社連結収益の安定化

 外部環境に左右されにくい厚みをもった連結収益構造に転換させることで、カーボンニュートラルの実現に向けた超革新技術の開発・実機化に必要な巨額の研究開発費・設備投資の原資確保に向けて、連結収益基盤を強化に取り組んでいく。

 

<出資概要>

 Teck社(原料炭と非鉄の会社)の製鉄⽤原料炭事業のスピンオフにより新設されるEVR社に同社が10%出資。

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

●同社は、EVR社の普通株・優先株・ロイヤルティのそれぞれ10%を取得。
 合計取得額 1,150百万カナダドル(約1,100億円)
 うち125百万カナダドルは、既保有のElkview炭鉱権益を充当する。
●同社がEVR社に取締役候補者1名を指名する権利等を含む株主権利契約を締結。

●本取引は、株式等取得の前提条件が整い次第完了させる予定(2023年4-6月期中目途)
 優先株︓一定期間、普通株に優先して配当が⽀払われる株式

 ロイヤルティ︓一定期間、EVR社のフリーキャッシュフローのうち90%がロイヤルティ保有者に分配される
●EVR社の上場後、当社は市場を通じて普通株を17.5%まで買い増すことが可能。

 

<Elk Valley Resources Ltd.の概要>

本社所在地:カナダ ブリティッシュコロンビア州 バンクーバー
事業内容:製鉄⽤原料炭の採掘・販売
保有する主な炭鉱
 Fording River、Elkview、Greenhills、Line Creek
年間生産能⼒合計:約2,500〜2,700万トン

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

●探鉱所在地はバンクーバーより1,000キロメートル東。すべて露天掘り(低コスト)

●自前の港湾設備を確保し、列車で輸送。豪州とあまり変わらない条件。

 

<投資のねらい>

①製鉄⽤優良原料炭確保の必要性

●同社はカーボンニュートラル鉄鋼生産プロセスの実現に向け「高炉水素還元(下図赤枠)」「大型電炉での高級鋼製造」「水素による還元鉄製造」の3つの超革新技術開発に取り組んでいる。

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

●高炉水素還元プロセスにおいてCO2排出削減と生産の安定性・効率性を両⽴させるためには高品質製鉄⽤原料炭の安定的調達が必要不可⽋

 ・水素ガスの通気性確保
 ・鉄鉱石を溶解させて高炉から取り出すための熱源確保

●カーボンニュートラル 鉄鋼生産プロセスにおいて、石炭の使⽤は減少する一方、⾼炉水素還元プロセスにおいて一定量の⾼品質製鉄⽤原料炭の使⽤は必要不可⽋

●脱炭素の流れの中で、製鉄⽤原料炭への開発投資が今後増加していくことは⾒込めない状況

     ⇩

同社⾃らが原料権益への投資を拡大することにより高品質製鉄⽤原料炭の安定調達を図る必要がある。

 同社石炭調達自山鉱校比率 約20%(足元)→約30%(EVR社主出資後)→⻑期的にはカーボンニュートラル生産プロセスへの移⾏に伴う石炭使⽤量減少により自⼭鉱⽐率は更に向上

 

②連結収益の安定化

●製鉄⽤原料炭の使⽤者は鉄鋼業のみであるにもかかわらず、原料炭市況変動の振幅は拡⼤し、また足元では⾼⽌まりしている状況。

●将来的にはEVR社を当社の持分法適⽤会社として連結することも可能。外部環境に左右されにくい厚みをもった連結収益構造に転換で、総合力No.1を目指している。・・・EVRは持分法適用も可能

 カーボンニュートラルの実現に向けた超革新技術の他国に先駆けた開発・実機化に必要な巨額の研究開発費・設備投資の原資確保に向けて連結収益基盤を強化。

 

〇更に厚みを持った新たな事業構造への転換

 

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

 

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