VOLTAが東京都環境局のモデル事業者に採択
6月17日、株式会社エンビプロ・ホールディングスの連結子会社である株式会社VOLTA(本社:静岡県富士市、代表取締役社長:今井 健太、以下「VOLTA」)は、東京都環境局が公募した「リチウムイオン電池 混ぜて捨てちゃダメ!プロジェクト 令和7年度リチウムイオン電池等広域的資源化モデル事業 協働事業者」に採択されたと発表した。
■事業概要
近年、リチウムイオン電池を使用した製品が増加しており、それに伴った廃棄物処理の過程における発熱・発火を原因とする、収集運搬車両や廃棄物処理施設の火災事故も急増している。現在、家庭から排出されるリチウムイオン電池類の回収は、資源有効利用促進法(資源の有効な利用の促進に関する法律)に基づきメーカー等が回収するルートや区市町村による回収ルートがあるものの、自治体による回収・処理には、処理事業者の少なさや処理にかかるコスト負担の大きさ等の課題が存在している。
そこで、一自治体では回収量が少なく、資源としての買い取りには至らないリチウムイオン電池等を東京都が広域的に調整し、複数自治体等分をまとめて資源として資源化事業者に売却するモデル事業を実施するとの事である。これにより、都内自治体の回収・処理を支援するとともに、リサイクルの促進を目指すとしている。この中でVOLTAは、東京都内の区部及び多摩地域における自治体及び一部事務組合の内、参加を希望した団体から以下の対象物を安全に回収し、安全かつ適正に運搬・管理した上で、買い取り・資源化を担当する。※一部協力会社での資源化を含む
<対象物>
(1) リチウムイオン電池
(2) モバイルバッテリー(膨張・燃焼後のモバイルバッテリーも対象とします)
(3) ニッケル水素電池
(4) ニカド電池
(5) 鉛蓄電池
(6) 小型のリチウムイオン電池内蔵製品(リチウムイオン電池と一体型の製品)
<期間>
2025年6月12日~2026年3月31日
■VOLTAの特徴
1. 安全かつ高効率なプロセスによる電池リサイクルの実績
VOLTAでは、多様なリチウムイオン電池のリサイクルに対応している。放電・乾燥、破砕、選別プロセスを通じて、リチウム、コバルト、ニッケルを含むレアメタル濃縮滓(ブラックマス)の生産や、銅・アルミ等の再資源化を実現している。一般社団法人JBRCの産廃広域認定の再資源化処理業者、一般社団法人自動車再資源化協力機構のリチウムイオンバッテリー委託処理施設としても活動中である。複数の自治体との取引実績があり、取扱量は年々増加している模様。
2. エンビプログループによる資源化
同グループは、長年培ってきた高度な再資源化技術を強みとしている。電池本体だけでなく、筐体や付属品などの金属やプラスチック複合品もグループのノウハウを活用してリサイクルしているとの事だ。電池単体に加え、電池内蔵製品も一括受入れ・リサイクルが可能である。
3. RE100による低炭素プロセスのリサイクル
同グループはRE100(事業運営に要する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアティブ)に加盟している。VOLTAの富士・富士宮工場は電力を100%再生可能エネルギー源から調達し、電池リサイクルプロセスで排出されるCO₂を最小限に抑えたブラックマスの生産を行っている。
(VOLTAで生産したブラックマス等)
VOLTAの安全な回収により、近年急増しているリチウムイオン電池起因の火災事故予防に貢献していくとの事である。複数自治体等分をまとめてVOLTAが回収することで、運搬費削減や電池買い取り等が実現され、自治体の収支改善にもつながる。今後は他自治体からの入荷も進め、多くの社会課題の解決に尽力していくと述べている。
■会社概要
(1) 名称 株式会社VOLTA(英名:VOLTA INC.)
(2) 所在地 静岡県富士市大野 55-1
(3) 代表者 代表取締役社長 今井 健太
(4) 事業内容 リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の充電式電池のリサイクル事業
(5) 設立 2018年1月10日
(6) 株主 株式会社エンビプロ・ホールディングス100% (東証プライム コード:5698)
(7) 資本金 400百万円
(8) URL https://www.env-volta.jp/
■本件に関する問い合わせ先
株式会社VOLTA
TEL:0544-66-3132 URL:https://www.env-volta.jp/contact/
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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