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中国、金産業を一段と発展へ 27年までに生産5%増目指す、政府が発展計画

2025/06/25 13:06
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 中国工業情報化省など中国政府の9部門は6月23日、ホームページ上で、「黄金産業の高度な発展についての草案」を発表した。2027年までに金と銀の生産量を5%増やす。深い地中の採掘を実現する技術の開発や、処理工場の大規模化など生産体制の集約も進める。

■日産500トン以上の加工工場を全体の7割に

 

プレスリリース:工业和信息化部等九部门关于印发《黄金产业高质量发展实施方案(2025—2027年)》的通知

 

 草案では、2027年までに金資源を5-10%増やすほか、1日当たりの処理能力500トン以上の加工工場の割合を全体の70%以上に引き上げる。また、2000メートル未満の深さでの金採掘を技術的に常態化する。リサイクルや、採掘現場のデジタル化も進める。

 海外事業では、「一帯一路」の構想をもとに、他国との関係性を強化する。金鉱石の輸入元の多角化を進めるとともに、他国での採掘プロジェクトへの中国企業の参入も促進する。

 

■世界最大の金消費国も国内生産の集約進まず

 ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデータによると、2024年の世界の金消費量は3063トンで、中国はこのうち27%に当たり816トンを消費し世界首位だった。宝飾品や投資対象としてだけでなく、電子機器や航空産業などの工業向け需要も多い。また、米中対立が深まる中で中国人民銀行(中央銀行)も外貨準備として米ドルなどに替わり金備蓄を増やしているため、国家戦略的にも金の需要は増している。

 

 

2010-2024年の世界の金消費量の推移

(出所:WGC 4月発表データ)

 

 一方で、国内の金鉱山は各地に散らばっている状況で、金鉱企業や金加工企業も規模が比較的小さいものが多い。2023年11月には中国湖南省地質院が、同省内の深さ2000メートルよりも深い場所に1000トン以上の金が眠っていると発表した。ただ、これは採掘技術も及ばず、探査結果にも世界のアナリストから疑問が寄せられるなど、技術不足が露呈した面もあった。

 

関連記事:中国の「黄金の夢」はやっぱり夢か WCGアナリスト「金塊発見は懐疑的」 外電報道 | MIRU

(IR Universe Kure)

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