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工作機械工業会受注速報 25年7月受注は3.6%増1284億円、2ヶ月ぶりに同月比増加

2025/08/14 08:17
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7月受注3.6%減1284億円、2ヶ月ぶりに同月比増加も前月比3.6%減で低調な動き続く

8/13の15時に日本工作機械工業会の2025年7月受注速報が開示された。7月受注は1283.57億円(同月比3.6%増、前月比3.6%減)と2カ月ぶりに増加も前月比減と低調な動きが続いている。自動車関税の動きの行方を睨み、様子見が続いている。なお確報は8/21公表予定。

 

 

 

 

内訳は外需が929.08億円(同月比5.3%増、前月比0.4%減)と10カ月連続同月比増加となったが、前月比では4ヶ月連続減少、4ヶ月連続で1000億円割れとなった。トランプ関税で自動車関税の変更の時期が依然として不透明で設備投資決断の遅れもある模様。
内需は354.49億円(同月比0.7%減、前月比11.1%減)と4ヶ月連続で同月比減少となった。トランプ関税などの不確実要素がくすぶり、前月比では2ケタ減少となった。現状、トランプ関税の影響、特に自動車産業の不透明感から、設備投資の様子見が続くと見られ盛り上がりに欠ける展開が続こう。

 

鍛圧機械7月受注は同月比21.8%減153.6億円と2ヶ月ぶり同月比減でプレス系不振続く

金属加工機械である鍛圧機械の7月受注(8/8発表)は153.60億円(同月比21.8%減、前月比33.8%減)と、2ヶ月ぶりに同月比減、2月の149億円以来の低水準となった。
国内85.71億円(同月比27.2%増、前月比34.0%減)と2ヶ月ぶりに同月比減少し100億円大台割れとなった。鉄鋼13.3%減、電気72.8%減、金属38.4%減、一般機械28.6%減などで、輸送のみ17.9%増にとどまる。輸出も67.9億円(同月比13.6%減、前月比33.7%減)と同月比5ヶ月連続減、前月比では4ヶ月ぶりに減少し再度100億円割れとなった。中国60.1%増、インド65.2%増、東南アジア2.1倍も、韓国49.2%減、北米55.7%減と跛行色が強い。
機種別でプレス系が81.8億円(同月比1.4%減)で7ヶ月連続同月比減。小型プレス1.2%増、油圧プレス5.4%増、自動化機械18.0%増もその他は不振。板金系は71.8億円(36.7%減)で5ヶ月ぶりで同月比減少。パンチングプレス46.2%減、ブレーキ・シャ9.1%減、レーザプラズマ47.1%減など。
全体としてプレス系はトランプ関税で自動車向けの影響があり、不安定な受注が続く。

 

 

 

 

2025年上半期鍛圧機械受注3.2%減を受け暦年予想を60億円減額し1.4%減2460億円に

鍛圧機械の2025年上半期受注は1215億円(前上期比3.2%減)と3半期連続で同期比減少、4半期連続前期比減となった。国内が753億円(前年同期比1.9%増)と4半期800億円割れも700億円台をキープ。対して輸出は460億円(前年同期比10.6%減)と低迷、同期比6半期連続減少、前期比でも4半期連続で減少した。これを受け7/26に工業会として暦年予想を60億円減額し2460億円(前年比1.4%減)予想とした。この背景には世界的なEV設備投資の減退に伴い、高速プレスなどが失速、加えてトランプ関税の不透明感が継続、設備投資が滞っている状況が影響している。機種別ではプレス系が1230億円(期初予想比130億円減額、前期比8.5%減)、板金系が1230億円(同70億円増額、7.0%増)予想とした。プレス系は内外のEV投資の受注残高はあるが新規需要が減退、トランプ関税問題も影響している。一方、板金系は景気対策、社会インフラ投資による建材関連が堅調に推移し、増額予想としている。なおサービス系は970億円(同30億円増額、3.5%増)と堅調に推移するとしている。

 


 工作機器6月生産は同月比11%増と2カ月連続増、ボールネジ、直動軸受10カ月連続増

工作機械に関連する工作機器は、日本工作機器工業会8/1発表の25年6月生産額が135.19億円(同月比11%増)となった。30ヶ月ぶりに同月比増加に転じた5月に続き2ヶ月連続で同月比増となった。この中で主力ボールネジは28.93億円(18%増)、直動軸受も42.32億円(14%増)といずれも10カ月連続同月比増となっている。両製品とも工作機械はボトムで推移の中、半導体製造装置向けの受注回復の寄与、医療機器向けの拡大などを受け、工作機器全体よりも高い伸びに。但しトランプ関税などもあり、回復継続に不安はある。

 

 

 

6月米国金属加工機械受注は前年同月比7.7%増の4.29億ドル、前月比でも9.1%増

8/11に発表された25年6月の米国金属加工受注は4.292億ドル(同月比7.7%増、前月比9.1%増)となった、先月に生じたトランプ関税問による駆け込みの反動減の影響も落ち着いた模様。ここしばらくの特長として、自動化機械が重要性を増してきているようで、オプションや機能追加などで、台数の伸びよりも金額の伸びが高くなっている。

 

 


 

2025年上半期の受注額は25.2億ドルとなり、同期比で13.7%増となった。需要先別では最大のジョブショップ向けが12%増と、従来市場の回復に対し遅れがちだったものが追いついてきた格好。航空宇宙部門は同期比6%増で過去最高額を記録した。ボーイングにおけるストライキなどがネガティブにならず、むしろ自動化、無人化推進のインセンティブに働いた格好となった。サーバ需要などからくる電力需要の増加に対し、重電関連では19%増となった。今後の米国工作機械受注は、トランプ政権の政策に不透明感が残り、下期回復継続予想ながら、2025年全体では1ケタの受注の伸びにとどまるとのコンセンサスとなっている。
 

(図表については日本工作機械工業会、日本鍛圧機器工業会、日本工作機器工業会、米国AMTのニュースリリースから作成、もしくは添付)

 

 

(H.Mirai)

 

 

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