中国リチウム採掘大手の江西ガンフォンリチウムが3月29日夜に香港証券取引所で発表した2022年12月期決算は、純利益が205億300万元と前の期の3.9倍に増えた。売上高は3.7倍の413億7000万元。主要製品が軒並み値上がりし大幅な増収増益となった。
2022年は供給不足の観測からリチウム価格が高騰し、MIRUのプライスデータで金属リチウム価格は2022年の1年間に2.5倍高となっていた。販売価格の高騰を受け、ガンフォンリチウムの粗利益率は2022年に49.2%と、前の期の39.5%から大きく向上した。
増収も顕著だった。全体の8割超を占める主力のリチウム化合物・金属事業の売上高が4倍超に伸びた。リチウムイオンバッテリー事業も3倍超の増収だった。販売先も、中国国内が約3倍、海外輸出は約7倍と大幅に増えた。
ガンフォンリチウムはリチウムの垂直生産を手掛ける民間企業。炭酸リチウムや塩化リチウムなどを生産する。江西省を中心とした中国国内での採掘のほか、海外企業の買収を積極的に行い、オーストラリアやアルゼンチンでも事業展開する。ディールラボの2021年の統計によると、リチウム生産では全体の19.4%を占め世界首位。
(IR universe Kure)