
住友商事は17日、日本製紙やGreen Earth Instituteと、「木質バイオマスを原料とするバイオエタノールおよびバイオケミカル製品の製造販売事業」を目的とした合弁会社「森空バイオリファイナリー合同会社」の設立に合意したと発表した。3月に設立予定。
同事業では、宮城県にある日本製紙・岩沼工場内にセミコマーシャルプラントを建設。製材端材などの東北地域の持続可能な森林資源を原料に、GEIが開発した低炭素、低コストを実現できるバイオエタノール生産プロセスを用いて、2027年から年産1000キロリットル以上のバイオエタノールを製造する予定だ。その後、日本において持続可能な航空燃料(SAF)の本格的な導入・普及が見込まれる2030年頃を目標に、年産数万キロリットル以上のバイオエタノールやバイオケミカル製品の製造が可能となるコマーシャルプラントの稼働を目指す。
事業で製造されるバイオエタノールは、東北地方の木質チップを原料とする低炭素かつ非可食原料由来バイオエタノール(E2G)であることが特徴。原料調達過程では、近隣で生産される木質チップを使用することで、輸送により発生するCO2排出量を低減する。製造過程では、木質バイオマスの成分であるリグニンから得られるカーボンニュートラルなエネルギーを使用することで、化石由来のCO2排出量を大幅に削減。持続可能な脱炭素社会の実現に貢献する。なお、バイオエタノールはSAF向けだけでなく、ガソリン直接混合や燃料電池用途、化粧品、化学品原料としても幅広く活用される予定。
また、製造過程で副次的に発生するバイオジェニックCO2や発酵プロセスで生まれる残渣の有効活用も同時に検討していく。
(IRuniverse K.Kuribara)