カナダ鉱物探査のファースト・アトランティック・ニッケルは2月26日、自社ホームページ上で、「カナダ東部のニューファンドランド島に所有する掘削孔からニッケルとクロムの探査結果を得た」と発表した。ニッケル生産における脱中国依存に役立つとしている。
発表によれば、同社はニューファンドランド島中部のスーパーガルプ地域にある所有区で、最大0.32%のニッケルと0.8%のクロム鉱床を発見した。所有区の全長は293.8メートル。平均では0.25%のニッケルと0.28%のクロムを含む。
区域全体にわたって、蛇紋岩化した超苦鉄質岩と目に見えるアワルアイト(天然ニッケル-鉄合金)が広がっている様子が観察された。アワルアイトはニッケル含有量が約75%までの天然のニッケル-鉄合金で、硫黄を含まないため従来のような製錬、焙煎、または高圧酸浸出を必要とせずに、磁気処理と簡単な浮遊だけでニッケル含有量が60%を超える高品位精鉱に加工することができる。
同社は今回の発見について、「アワルアイトは、中国が管理する外国の加工への依存を減らすクリーンなニッケル源であり、北米のステンレス鋼および電気自動車産業により安全で信頼性の高い供給につながる」と指摘した。探査サンプルは同国ニュージャージー州の研究所に送付済み。今回の発表を受け、同日のカナダ株式市場で同社株は急伸した。
(IR Universe Kure)