財務省の関税・外国為替等審議会は12日、諮問のあった中国産黒鉛電極への暫定的な反ダンピング(不当廉売)関税の課税を適当とする答申書をまとめた。税率は95.2%で、期間は4カ月。財務省と経済産業省が事実関係の調査を継続し、最終的な税率などを決定することになる。
黒鉛電極は主に鉄のスクラップを溶かしてリサイクルする電気炉で炭素棒として使われ、他の素材での代替が困難であるため国内産業のサプライチェーン を支える鉄鋼業などで重要な製品とされている。
2024年2月にあったSECカーボン、東海カーボン、日本カーボンからの申請に基づいて、同年4月から調査を開始。25年2月28日に実態調査の中間報告書を公表し、財務省、経済産業省は、中国からの輸入品が国内企業に実質的に損害を与えているとの仮決定をしていた。調査では、不当廉売差額率は104・61%に上り、日本向け輸出価格が中国国内の販売価格の半分程度だったという。
(IRuniverse G・Mochizuki)