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世界の鉄鋼需給、2025年は700万トンの供給過剰 OECDレポート、中国デフレ輸出続く

2025/05/28 17:39
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 経済協力開発機構(OECD)は5月27日、ホームページ上で、2025年の鉄鋼市場展望「OECD steel outlook 2025」を発表した。この中で、2025年の世界の鉄鋼需給バランスは、生産が18億9600万トン、需要が18億8900万トンで、約700万トンの供給過剰になると予測した。

 

プレスリリース:Surging excess capacity threatens steel market stability, employment, and decarbonisation plans

 

世界の鉄鋼需給ギャップは年々広がる

 経済成長の鈍化により中国での鉄鋼需要が低迷するにもかかわらず、中国やインドを中心に鉄鋼生産は盛んなままであるため、供給過剰が続く見通しだ。生産能力で見ると、世界では2027年に最大26億3730万トンの生産が可能。一方、需要は2027年にも19億2000万トン程度とほぼ横ばいが続くと予想され、2027年時点で最大7億トンの供給過剰になる恐れもある。特に足元では中国政府の補助金など一部国家の不公平な政策が需給バランスを歪めており、中国からの余剰分の廉価での輸出は続くと予測した。

 

世界の鉄鋼生産見通し(単位:mmt)

 

世界の鉄鋼需要見通し(単位:mmt)

 

 

 中期的には鉄鋼生産も鈍化はするが、縮小率は需要の低迷に追いつかないとみられる。OECDは2030年には生産が19億7800万トン、需要は19億5800万トンで2000万トンの供給過剰になるとの見通しを示した。解決策としては、まずは政府補助金に依らない需要に応じた生産を行うことと、公正な貿易が、需給ギャップ解消につながると指摘した。

 

(IR Universe Kure)

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