サーキュラーエコノミーはリサイクル業界にとぅても、製造業にとっても必須の課題となっており、さらにそこから発展して再生材をいかに多く使うか、が製造業の課題となっている。
これがリサイクル業界にとって全てプラスといえるのかどうかは其々のリサイクラーのポジションによって異なる。
さる大手、上場リサイクル会社の方にいわせると
「サーキュラーエコノミーというのは、要するに大企業の下請けになることだよね。スクラップディーラーの自由度というのは落ちることになり、面白いか面白くないか、といったら面白くないだろうけど、単なる運送業?時代変わって、いまは大企業にくっついていくのがベストなんだろうなと受け止めている」とのコメントは実に正鵠を射た本音、ではないだろうか?
例えば
岡山の中堅鋳物工場では良質なスクラップが不足していることで、広島あたりまで出張って新断を買いに来ているという。
それはなぜかというに、JFEスチールが近隣の自動車メーカー(三菱など)に納めたJFEの鋼材の切れ端、つまり新断スクラップはそのままJFEに戻す、というクローズドループを展開しているため、それまでは、自動車メーカーから良質なスクラップを購入できていた鋳物工場がいきおい困窮している、という。
サーキュラーエコノミーの囲い込み戦略に入ることができたスクラップリサイクラーは良いが、そうではない場合は、さきの鋳物工場のようにたちまち原料仕入れが細る、ということになりかねない。これもサーキュラーエコノミーの真実であろう。
(iruniverse)