5月受注3.4%増1287億円、8ヶ月連続同月比増加も伸び悩み
6/10の15時に日本工作機械工業会の2025年5月受注速報が開示された。5月受注は1287.16億円(同月比3.4%増、前月比1.2%減)と8カ月連続で同月比増加も改めて2ヶ月連続1桁の伸びに止まり、前月比でも2ヶ月連続減に。トランプ関税問題なども有り、5月連休もあり様子見が続いていると見られる。なお確報は6/25公表予定。
内訳は外需が957.02億円(同月比6.7%増、前月比0.1%減)と8カ月連続で同月比増加も2ヶ月連続1000億円割れとなり、前月比でも2ヶ月連続減となった。一部トランプ関税発動による設備投資決断の遅れもある模様。
内需は30.14億円(同月比5.2%減、前月比4.0%減)と2ヶ月連続で同月比減少となり、且つトランプ関税などの不確実要素も重なり、前月比でも2ヶ月連続減。5月としては20年5月182億円以来の低い数字となった。トランプ関税の影響、特に自動車産業の不透明感から、設備投資の様子見や5月連休の影響もあり盛り上がりに欠ける展開が続いている。
鍛圧機械5月受注は同月比7.2%減176.9億円で2ヶ月連続同月比減に
金属加工機械である鍛圧機械の5月受注(6/9発表)は176.9億円(同月比7.2%減、前月比13.0%減)と、2ヶ月連続同月比減、前月比減となった。
国内77.9億円(同月比7.7%減、前月比34.7%減)と2ヶ月連続同月比減、前月比も2ヶ月連続減、しかも2ヶ月連続で大幅減少し、2024年10月の71.63億円以来の80億円割れ。トランプ関税問題もあり国内設備投資が先送りに。鉄鋼3.2倍、電気22.7%増も金属21.1%減、輸送57.4%減などが影響。輸出99.01億円(同月比6.9%減、前月比17.6%増)、同月比3ヶ月連続減も前月比では2ヶ月連続増加も8ヶ月連続100億円割れ。中国12.0%増、韓国4.7%増、東南アジア26.9%増、インド2.3倍、欧州23.0%増も北米大幅減が影響。
機種別でプレス系が82.8億円(同月比32.8%減)で小型プレスのみ41.2%増、その他は軒並み減少。板金系は94.1億円(39.2%増)でパンチングプレス91.0%増、ブレーキ・シャ63.4%増などプラスに。
全体としてプレス系はトランプ関税で自動車向けの影響があり、不安定な受注が続く。
工作機器4月生産は0%減と29ヶ月ぶり横ばい、主力ボールネジ、直動軸受8カ月連続増
工作機械に関連する工作機器は、日本工作機器工業会6/10発表の25年4月生産額が129.46億円(同月比0%減)と29ヶ月ぶりに横ばいに。この中で主力ボールネジは26.56億円(17%増)、直動軸受も42.75億円(7%増)といずれも8カ月連続同月比増となっている。両製品とも工作機械はボトム形成の中で、半導体製造装置向けの受注回復の寄与を受け、工作機器全体よりも高い伸びに。但しトランプ関税などもあり、回復継続に不安が残る。
米国金属加工機械受注は前縁同月比41.2%増の4.49億ドル
6/9に発表された25年4月の米国金属加工受注は4.449億ドル(同月比41.2%増、前月比12.7%減)となり、前月の23年3月5.53億ドル以来の数字に対し、トランプ関税問による駆け込みの反動減も影響した模様。ここしばらく高成長だったジョブショップ向けは自動車産業の投資の再調整期に入り前月比減も高水準を維持している。航空宇宙向けは反動減で前月比半減も、月次平均よりは多少上回っている。全体として関税の行方が不透明であり、経済の不確実性やトランプ関税問題、EV不振などを受けより慎重な見方に変化しつつあり、成長鈍化を示唆する見方も出てきた。
(H.Mirai)