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JSP袖ヶ浦は国内最大級の岸壁型SUSスクラップ加工ヤード

2025/07/11 14:01
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JSP袖ヶ浦は国内最大級の岸壁型SUSスクラップ加工ヤード

前日の大雨から一転快晴、とはならなかったが、開所から2ヶ月経ったJSP(ジェイエスプロセッシング)の袖ヶ浦RC yard(千葉県袖ケ浦市中袖15-1)を訪問した。斯界の方々はご存知のように、JSPは日本製鉄系のステンレススクラップ加工会社であり、大阪、小山、北九州に続いての4拠点目がここ袖ヶ浦となる。

 

7000坪の広大なヤードには新品の敷鉄板が敷き詰められている。もちろん日本製鉄の鉄板だ。小山ヤード(栃木県小山)の3倍くらいの広さがある。
ヤードを案内してくれたのは袖ヶ浦のヤードオペレーションを担っている株式会社ゴトウの後藤雄一社長。
 

 

 

 

 

(水深12mの岸壁に面しているので、横持ち不要で船に積み込める)
 

この袖ヶ浦ヤードの最大の利点は、岸壁に面していること。オーブンしてすでに2回、499船で周南向けに出荷している。マストな目標としている月間5000トン(304系のみで)の供給となれば、毎週、船積みを行っていかねばならないとのこと。
 

ヤードに入ってきたステンレススクラップを1250馬力のギロチンで剪断。このMORITA製のギロチンも新品。KOMATSUの重機も新品だ。

 

 

ヤードオペレーションは市川ゴトウのベテランのメンバーが行う。現場5名。工場長は三山氏。所長は日鉄から集治氏。
オーブンしてからは3000トンは集めたが、発生少なく、しかしプレーヤーが多い中で毎月5000トン集めていくのは容易ではない。
 

これでももしかすると控えめな目標かもしれない。というのも、日本製鉄ステンレス事業部の光製鉄所周南の2拠点では。ステンレスの生産量はかつてに比べると減産だが、それぞれスクラップ配合率は上げている。およそ40%というスクラップレシオ。光、周南での現在の月間ステンレス生産量は約55,000トン(NI.CR系合わせて),
このうちざっくり6割がNI系の生産、ということから考えると、日鉄向けのステンレススクラップ需要を満たすだけでも今のマーケットでは大変だ。


今後、日本製鉄でのステンレス生産における前述したスクラップレシオがさらに上がってくるとすれば、なおステンレススクラップの供給は増量が必須となる。

これについて後藤社長は
「やはり各方面に流れている物量をこちらに取り込んでいく必要が増しますね」とのことで、それはつまり輸出の玉のことを指す。
韓国ポスコ向けは従来からあるとして、気になるのは中国の青山集団の動き。
これはJSPを管理する日本製鉄の担当氏も同じで、中国勢の動きを気にはされている。今の所、さほどマーケットの脅威となるような価格は出ていない。
 

月間5000トンを集めるとしたら、最終的にはやはり値段。価格か命です、というキャッチフレーズをつけていた業者さんも過去に大阪にいたが、いまも同じ。
例えば、鉄の東京製鐵のように、JSP、日本製鉄がブライスリーダーとなりマーケットを形成していくことがベストだとは個人的には思う。
 

また、このJSPが先々は、日本製鉄のため、だけではなく、日本のステンレス、特殊鋼メーカーも含めた品質保証したスクラップ供給基地になるかどうかは今後の業界再編次第だろうか?これも2000年のスタートからJSPを見てきた個人的な観測ではあるが。
 

(iruniverse YT)

 

 

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