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中国GDP5.2%増 4-6月、不動産不況止まらず、米関税で製造業が不振・指標一覧

2025/07/15 16:15
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 中国国家統計局が7月15日に発表した中国の2025年4-6月の実質国内総生産(GDP)は前年同期比5.2%成長と、成長率は1-3月期の5.4%から減速した。不動産市況の悪化が止まらず、全体を押し下げた。足元では持ち直しの気配もあるものの、勢いは鈍く先行きは懸念が大きい。

 

2025年の中国の主な経済指標

注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計

(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)

 

 中国政府は3月上旬の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で2025年のGDP成長率の目標値を「5%前後」としており、目標は上回ったことになる。ただ、4-6月はトランプ米政権が世界各国を相手に関税交渉を繰り広げ、中国も4月のレアアース輸出規制などに踏み切った時期だった。先行き不透明感から、製造業の景況感指数(PMI)は4-6月の3か月間はいずれも好不況の境目である50を下回った。

 国内投資も戻らない。不動産開発投資は1-6月期に前年同期比11.2%減と悪化が続く。固定資産投資の増加率も月を追うごとに縮小した。卸売物価指数(PPI)の下落幅も拡大し、消費者物価指数(CPI)は0%を境に揺れ動きいてデフレに転げ落ちる瀬戸際だ。

 好材料としては、6月の輸出が改善し、輸入も増加に転じるなど貿易の改善が見られたことがある。特に電気自動車(EV)などで、東南アジアやアフリカ向け輸出がけん引した。中国とは米国との関税交渉期限を8月12日に控える。交渉結果を製造業の改善に結びつけられるかが注目される。

 

(IR Universe Kure)

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