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SUSscrap MarketWatch 2025#12 メーカー減産で秋はさらに盛り上がらず・・

2025/09/17 09:43
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SUSscrap MarketWatch 2025#12 メーカー減産で秋はさらに盛り上がらず・・

まだまだ秋とはいいがたい残暑が続く9月中旬ではあるが、国内ステンレススクラップ市況はまったく盛り上がりに欠ける状況。発生減のなかで真夏の7~8月にかけてスクラップはじりじり上昇しメーカー買値でキロ190円近くまで上昇(304スクラップ新断ベース)したが、これ以降は停滞。
LMEニッケル相場と為替相場の推移は下図の通りでニッケルは再び15,000ドル台に浮上、為替は148円前後と円安水準のまま。

(LMEニッケル相場と為替相場の推移)


(酸化モリブデン相場と316系スクラップ相場の推移)

 

アジアのSabot市場はトン当たり1250~1280ドル。インド向けが高め、とはいえフレート代は上昇。
関東地区では市中実勢が304でキロ185円前後、316系で330~350円、400系は60~68円。モリブデン高で316系はやや高値寄り。
しかし相変わらずの発生薄。

関東地区のスクラップディーラーは
「モノがないですね。相変わらず。。解体系も少ないので中国系のディーラーもあきらめ顔。国内メーカーも日鉄が減産に入るようですし、需要も盛り上がらない。マージンもとれない。なかなか厳しい状況が続いています」という。つまり国内向けでは日鉄のステンレス事業部山口エリアが頼みだったが、ここが減産となると、全体的に需要がしぼむ市況感は否めない。

また
「それでもメーカーさんの検収は厳しいですね。日本のメーカーは世界一厳しい。それはそれで良いことだと思いますが、相応の価格を出してほしい」とも。これは常に言われてきていることではある。丁寧な選別、前処理を行っている優秀なスクラップディーラーの上にステンレス特殊鋼メーカーのローカーボンな生産が成り立っている、といえば言い過ぎかもしれないが、過去数十年はそうであった。
「だから、サーキュラーエコノミーで、いま自動車メーカーさんとかが自前でリサイクルをオペレーションするといっているでしょう?それはやってもらったほうがよい。そうするとリサイクル業者の苦労も身に染みてわかるはず。今のメーカーさんはリサイクルの本当の難しさをまったく理解していない」と腹立ち半分で語る彼の意見に頷く方々は少なくないだろう。


(IRUNIVERSE YT)

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