電力広域的運営推進機関(EGC)は、2025年8月末時点の電力取引報告結果を発表した。2016年4月に始まった小売電力自由化に伴い、同委員会が毎月結果報告を行っている。
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⇒「電力取引量(25年8月)」
図表1、スイッチング件数とスイッチング比率の推移(千件、%)
注意:上段はスイッチング件数、下段がスイッチング比率
出所:EGC発表資料よりIRU作成
最後に自由化された低圧(高中低圧は既に自由化されている)についてみてみると、25年8月末時点でのスイッチング(切替)比率は44.38%となり、先月より0.70ポイントアップした。エリア別の状況は、図表2のとおり。最もスイッチングが遅れているのが北陸電力管内となっている。裏を返せば、北陸電力の営業力が他電力に比べあるということになろう。逆にスイッチング比率が高いエリアは関西電力管内と、東京電力管内となっており、人口の多いエリアでの新電力会社との激しい営業合戦が行われているためと推測できる。
図表2、エリア別スイッチング比率(%)
出所:EGC発表資料よりIRU作成
新電力会社へのスイッチング件数は、先月末から26.0万件増加し3,5128.6万件となったこ。これにより、自由化以降3,512.9万件がスイッチングしたことになるな。なお、毎月平均30.9万件の割合でスイッチングしている。
新電力会社の電力プランは、既存の電力プランに似たものから、定額プラン、基本料のないプランなど、様々な契約プランが登場。各家庭に応じたプランが選べるようになってきたことが背景にある。
新電力会社へのスイッチングは着実に進んでいる。
図表3、月別スイッチング件数の増加件数とスイッチング比率の推移(万件、%)

出所:EGC発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)