WSA（世界鉄鋼協会）加盟世界70か国合計の2025年8月の粗鋼生産量（速報）は、1億4,530万トンで前月7月実績［1億4,940万トン：速報値（1億5,010万トン）から70万トン減］比2.7 %減、前年同月（1億4,480万トン）比では0.3 %増。前年同月比では5か月ぶりに増加する見通しとなったものの、1億4000万トン台となった。1億4000万トン台となるのは、中国の粗鋼生産量が8,000万トンを下回った2025年2月以来となる。
2025年1月～8月（速報）累計の世界70か国合計の粗鋼生産量は、12億3,060万トン、2025暦年換算では18憶4,590万トンとなり、2024暦年（18億3,730万トン）比では、0.5 %増と、前暦年並み或いは、前暦年を上回る見通しとなった。
WSA（世界鉄鋼協会）発表内容は下記を参照してください。
August 2025 crude steel production - worldsteel.org
＜2025年8月（速報） 主要国の概況＞
2025年8月の粗鋼生産量（速報）は、前年同月比では、
世界第２位のインドは速報値では13.2 %増の2桁増の見通しとなったものの、
中国は、7,737万トンと前月実績（7,966万トン）比では2.9 %減、前年同月（7,792万トン）比でも0.7 %減となった。8,000万トンを下回った。
8月の1日当たりの粗鋼生産は249.6万トンで、前月2025年7月実績（257万トン）から約7.4万トン減少。
その他の主要国では、日本、ロシア、韓国、ドイツ及びブラジルが、前年同月比では減少した。
アメリカ合衆国の8月の粗鋼生産量は、速報値では720万トンとなり、日本の663.6万トンを上回る見通しとなった。
4か月連続で日本を上回って推移している。
アメリカ合衆国の2025年1月～8月（速報）累計粗鋼生産量は720万トンとなり、日本を50万トン上回る。
＜世界、中国及びその他の概況＞
図1に2024年3月～2025年8月（速報）までの、世界（70か国）、中国及びその他の粗鋼生産量及び前年同月比推移を示す。
図1 2024年3月～2025年8月（速報）までの、世界（70か国）、中国及びその他の粗鋼生産量及び前年同月比推移
前年同月比では、
2025年8月（速報）の、 世界（70か国）粗鋼生産は0.3 %増、中国は0.7 %減、及びその他の粗鋼生産量は1.6 %増の見通しとなった。
WSA（世界鉄鋼協会）加盟世界70か国合計の2024暦年の粗鋼生産量は、18億3,730万トンとなった。
2025年1月～8月（速報）累計の世界70か国合計の粗鋼生産量は、12億3,060万トン、2025暦年換算では18憶4,590万トンとなり、2024暦年比では、0.5 %増と、前暦年並み或いは、上回る見通しとなった。
＜世界鉄鋼協会の加盟国数の変更＞
世界鉄鋼協会の加盟国は、2023年1月に63か国となった。
・アフリカにはチュニジアが加わり、アジア及びオセアニアはモンゴルが加わった。
・一方、ロシア+CIS（ロシアを除く）及びウクライナ総計からは、モルディブ及びウズベ
キスタンが除かれた。
・ヨーロッパ他からボスニア・ヘルツェゴビナが除かれた。
その後、2023年10月から71か国となった。
・アフリカは、アルジェリア、モロッコが加わった。
・中東は、バーレーン、イラク、ヨルダン、クウェート、オマーン、イエメンが加わった。
2025年1月から2025年4月はヨーロッパ連合からハンガリーが、及びロシア+CIS（ロシアを除く）及びウクライナ総計からはベラルーシが除かれ、下記69か国となった。
2025年5月（速報）からは、ロシア+CIS（ロシアを除く）及びウクライナ総計に再びベラルーシが加わり、下記70か国となった。
2025年8月に鉄鋼連盟が発表した主要国の粗鋼生産量によれば、
上位10か国の7月（実績）の粗鋼生産量は、
中国7,966万トン（6月8,318万トン）、
インド1,400万トン（前月1,347.5万トン）、
日本691.8万トン（前月671.0万トン）、
米国714.2万トン（前月696.9万トン）、
ロシア570万トン（前月577.7万トン）、
韓国525.6万トン（前月518.9万トン）、
トルコ318.2万トン（前月287.5万トン）、
ドイツ271.9万トン（前月267.9万トン）、
ブラジル280.2万トン（前月283.4万トン）、
イラン223.5万トン（前月251.7万トン）となった。
前年同月比では、日本、中国、韓国、ロシア、ドイツ及びブラジルが、減少した。
Table 1に、2025年8月（速報）の地域別粗鋼生産量及び2025年1-8月（速報）累計生産量と前年同期比を示す。
アジア及びオセアニアの8月（速報）は、1億770万トンと前年同月比0.4 %増、
1-8月（速報）月累計では、前年同期比1.5 %減 の見通し。
その他、前年同月比では、EUを除くその他ヨーロッパ、中東及び北アメリカが増加の見通しとなった。
Table 1 2025年8月（速報）の地域別粗鋼生産量及び2025年1-8月（速報）累計生産量と前年同期比
Table 2に、2025年月8（速報）の世界上位10位国の粗鋼生産及び2025年1-8月（速報）累計生産量と前年同期比を示す。
＜インド＞
2022暦年も好調であった世界第2位の粗鋼生産国であるインドは、2年5か月以上、前年同月比増を継続していたが、2024年9月には、1,178.3万トンとまで減少し、前年同月（1,174.5万トン）比0.3 %増となった。
2024年3月以降、月の生産量は6月及び9月を除き、1,200万トン超えを継続。2025年3月からは1,300万トンを、7月からは1,400万トンを上回って推移。
2023暦年では、2022暦年（1億2,537.8万トン）比12.0 %増の1億4,076.2万トンとなった。 月換算では、1,173万トン。
2024暦年では、1億4,882.4万トンとなり、前年度比5.7 %増 月換算では、1,240.2万トン。 2025年8月速報では、1,410万トンと、2024暦年月換算を上回る。
Table 2 2025年月8（速報）の世界上位10位国の粗鋼生産及び2025年1-8月（速報）累計生産量と前年同期比
図2には、粗鋼生産量推移を示す。1991年～2024年の暦年データは、月換算で示している。
中国は1996年、インドは2017年に日本の粗鋼生産量を上回った。
日本は2000年以降、米国の粗鋼生産量を上回って推移しているが、2024年8月、2025年1月及び2025年5月～8月（速報）では、下回った。
図2 国別粗鋼生産量推移（暦年の生産量は月換算としている。）
（IRUNIVERSE tetsukoFY）
