マルマエ(6264) 25/8期連結決算説明会 KMACフル連結でポジティブ継続
半導体向け拡大、KMAC連結で28/8期に連結売上高250億円、営業利益56億円を目指す
株価1,890円(10/17) 時価総額246億円 発行済株式13,053千株
PER(26/8期連結 予想12.9X)PBR(3.1X)配当(26/8期予)56円 配当利回り2.8%
要約

25/8期連結決算は売上高114億円、営利21億円と売上1.5億円、営利2億円上振れ着地
半導体・FPD製造装置の真空部品や各種高精度部品を中心に事業を展開する。主力ユーザーは東京エレクトロン、日本発条で60%を占める。25/8期第3四半期(Q3)より高純度アルミの機能材料を製造するKMACが連結化された。25/8期連結決算が10/10に開示され、10/16に説明会が開催された。
25/8期は売上高114.03億円(7/15予想比1.5億円上振れ、単独24/8期比較96.54億円増加し、前期比2.4倍)、営業利益21.03億円(同2.0億円上振れ、単独24/8期比較19.47億円増加し、前期比13.5倍)となった。
今回KMACを連結(5ヶ月分)しており、単独は売上高77.09億円(期初計画比1.09億円上振れ、6/20修正予想比0.77億円上振れ、前期比62.3%増)、営利18.23億円(同2.23億円上振れ、同1.00億円上振れ、7/15修正予想比3.23億円上振れ、前期比11.7倍)となっている。

25/8期単独は半導体向け本格回復で利益回復、FPD向けは増加したが、OLED向けに停滞感
25/8期単独精密部品売上(77.09億円)の部門別では、半導体分野が売上高61.37億円(期初計画比0.23億円未達、7/15修正予想比0.57億円上振れ、前期比72.4%増)と伸長した。四半期推移でも15億円超をキープした。新規設備投資は一部を除き停滞したが、消耗品の好調が続き、消耗品売上は44.06億円(前期比2.3倍、構成比は53.2%から71.8%に跳ね上がった。一方、消耗品以外は17.31億円(4.0%増)にとどまった。FPD向けは売上高12.87億円(期初計画比1.53億円未達、7/15修正予想比1.03億円未達、前期比27.6%増)と、OLED向けが好調に推移したが、25/8期Q4で息切れし売上計画は未達となった。FPDでも消耗品が2.20億円(64.2%増)となっているが構成比は13.3%と低い。新規設備投資向け他が10.67億円(21.9%増)となっており、OLEDの寄与が大きい。


営業利益面は、半導体向けの売上回復により稼働率が向上し、営業利益率は20.3ポイントアップの23.6%まで改善した。
25/3期KMACは0.7%増収、16.5%営利増と緩やかな回復も25/8期累計5ヶ月は低調
KMACの25/3期までの業績推移では、25/3期に売上高86.51億円(前期比0.7%増)、営業利益10.73億円(16.5%増)となった。売上は緩やかに回復し、利益は低採算の製品の絞り込み継続で2ケタ増益を達成した。部門別売上ではIT器材は消耗品が好調で29.07億円(13.8%増)、半導体製造部材はエッチング向けチャンバーの在庫調整終了待ちで伸び悩み、17.80億円(17.7%減)と厳しい状況である。基礎素材は電解コンデンサやHDD向けなどが堅調に推移し39.64億円(2.4%増)となっている。

KMACは機能材料事業として、同社の25/8期連結決算に5ヶ月分(4月、5月+Q4)が連結されている。同期比の伸び率変化は非開示だが、5ヶ月分は売上高36.88億円、営利5.07億円となった。伸び率は小さく伸び悩んだものの、同期比プラスと見られる。製品別ではIT器材13.52億円でレガシーロジックに加えHBM、DRAM向けが伸長したとのことである。半導体装置部材は7.12億円で、真空チャンバーの客先在庫解消待ちにより横ばいである。基礎素材は16.24億円で、車載コンデンサ向けが安定し、HDD向けが好調を維持している。営業利益は4月、5月の2ヶ月で2.0億円、25/8期Q4は3.07億円となり、25/3期Q1の3.32億円以来の3億円乗せとなった。

26/8期連結予想はKMACフル連結で50.8%増収、33.1%営利増予想も上振れ期待
26/8期連結決算予想はKMACのフル連結化が寄与し、売上高172億円(7/15予想比8億円減額、50.8%増)、営利28億円(同2億円減額、33.1%増)、経常利益26億円(34.3%増)、税引利益17億円(25.4%増)予想とした。7/15の数字に対し若干の減額予想となっているが、これは最大手顧客の東京エレクトロンが26/3期上期(H1)について計画通りを予想するが、下期(H2)について減額した影響が考えられる。東京エレクトロンによると、一部先端ロジック顧客の設備投資の見直し、中国新興半導体メーカーによるレガシー投資の縮小、NANDの需給バランスを慎重に見た投資計画の変更、HBM需要は旺盛なものの、投資計画の見直しなどで半導体市場環境が想定より弱いとした。このため、26/3期下期(H2)予想を減額(同社にとっては26/8期上期(H1)に影響)した影響があると見られる。
事業別に単独では、売上高82億円(同5億円減額、6.4%増)、営利19億円(同2.5億円減額、4.2%増)予想である。KMACは売上高90億円(同3億円減額、2.4倍)、営業利益12億円(同0.5億円増額、3.1倍)予想とした。また、のれん償却分を営業共通費用として3億円(同変更なし、2.4倍)計上する予想とした。さらにKMAC買収のために長期借入金を増額(24/8期末比91.37億円増の120億円)したことで、支払利息2億円の負担増を見込む。なお、従来の製品別予想の開示はなかった。
マルマエ単独では、FPD向けで減少懸念があり、半導体向けは消耗品が堅調な伸びを保つものの、本格回復は下期になるとみている。東京エレクトロン以外の新規顧客向けが寄与するものの、緩やかな収益拡大にとどまる見通しである。なお、単独では減価償却方法を定率から定額に変更しており、多少の利益の上乗せになっている。現状、TSMCが積極的な設備増強を行っており、AIデータセンターを中心とした先端半導体向けの需要が多いことから、同社の半導体向けは多少の増額が期待される。
KMACについては会計月の変更があるため、12ヶ月比較で25/3期と比較した場合、26/8期は4.0%増収、11.8%営利増となる予想である。セグメント別予想の開示はないが、IT部材はレガシーロジックでは中国の伸び悩みが懸念されるものの、HBM向けの拡大が見込める。一方、半導体装置部材は引き続き真空チャンバーの在庫調整が完了していない状況で伸び悩むが、基礎素材は車載向けなどの拡大が見込める模様である。利益面では引き続き高付加価値製品へのシフトが寄与し、収益性の向上が続くと見られる。現状、レガシー半導体の回復が遅れ気味であるものの、26/8期は受注の回復が下期から見込め、半導体装置部材も在庫調整完了により下期は拡大し、売上面で下期から回復し多少の増額が見込める。利益面でも25/8期Q4で売上高22.64億円、営業利益3.07億円を確保しており、増収効果で利益も会社計画を上回るであろう。
全体を通じ、25/8期は会社想定に対し下期からの回復により収益の上乗せが見込まれ、結果として7/15に予想した売上高180億円、営利30億円の達成が期待される。
連結中期経営計画を開示し、28/8期に売上高250億円、営業利益56億円を目指す
同社はKMAC統合を踏まえ、25年7月に中期経営計画の目標を正式にリリースした。今回、26/8期については多少減額したものの、28/8期に売上高250億円、営利56億円の目標は堅持した。事業別に精密部品事業(マルマエ)では28/8期に売上高120億円、営利36億円目標とする。成長の中心は半導体事業拡大で、28/8期に100億円へ拡大する計画である。機能材事業(KMAC)は28/8期売上高130億円、営利23億円を目指す。機能材事業は、半導体装置用を28/8期に36.1億円に拡大し、23/3期のピーク32億円を凌駕する計画である。競争力のあるIT器材も38.7億円へ新規顧客拡大で売上拡大を狙う。

現在、半導体市場は半導体生産の拡大が25年度下期以降本格拡大する見通しにある。同社の27/8期は単独決算において、AI学習型データセンター向け先端ロジック、HBMに加え、推論型AIデータセンターの投資拡大、AIスマートフォン、AI搭載PCの普及でDRAMではDDR5の拡大、フラッシュメモリでも大容量SSDの拡大などが見込まれる。このためマルマエ製チャンバー部材を備えるエッチング装置向けの需要拡大が期待され、27/8期は、中国以外のWFE成長率を26暦年26%増、27暦年11%増と、中国を含めたWFE成長率を上回る成長を前提に、収益の本格拡大が見込まれる。また28/8期には新規ユーザー向けの拡大も本格寄与するため、28/8期単独中期経営計画の予想超過達成に期待がかかる。KMACについては、レガシー向けの比率がマルマエ単独事業よりも大きいと見られるものの、現在はエッチング装置向けの真空チャンバーの在庫調整の最終局面に近づいている。
今後は半導体装置向けの需要が本格回復し、収益性も同社とのシナジー効果で付加価値向上も見込まれ、中期経営計画の目標並の収益が期待される。
全体として、KMACは中期経営計画の目標並の収益、マルマエ本体は先端半導体向けの本格拡大と新規ユーザーの拡大で上振れが期待され、全体として中期経営計画の上振れ達成が期待される。
株価は4/8にKMAC株式取得完了がアナウンスされ、25/8期Q3より連結決算発表となり上伸を続け、10/9には年初来高値2,046円をつけた。その後、10/10に26/8期予想について7/15の予想比で減額となったこともあり、10/16の決算説明会後に多少調整した状況にある。現在、26/8期会社予想EPS134.26円に対しPER14.0倍は、プライム市場の機械平均PER18.8倍に対しやや割安水準で、東京エレクトロン(31.0倍)、東京エレクトロン向け50%のアバールデータ(25.8倍)、高周波電源で高シェアのダイヘン(17.1倍)と比較しても割安であり、26/8期は増額修正期待もあり、ポジティブ継続とする。
※図表は25/8期Q3マルマエ決算参考資料、もしくはIRユニバース加工、チャートはヤフーから添付したものである。



※東京エレクトロン(8035)、アバールデータ(6918)、ダイヘン(6622)との比較
