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アドテックプラズマテクノロジー、26/8期8.5%減収12.6% 営利減予想と中国向け一服

2025/10/20 10:33
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アドテックプラズマテクノロジー、26/8期8.5%減収12.6% 営利減予想と中国向け一服

 6668アドテックプラズマテクノロジー25/8期WEB決算メモ ポジティブ継続                                                                                                                                      

 26/8期8.5%減収12.6%営利減予想と中国向け一服、新製品投入初期コスト高で収益低迷

 

株価(10/17)1286円   時価総額110億円   発行済株8,586千株

PER(DO26/8期予:9.8X) PBR(0.84X)配当予24円 配当利回り1.9%

 

要約

25/8期12.2%増収21.8%営利増もQ4不振で7/11増額修正予想未達、期初営利予想未達

25/8期決算が10/10に開示され、10/17にWEB説明会が開催された。25/8期は売上高126.80億円(期初計画比4.80億円上振れ、7/11修正予想比0.2億円未達、前期比12.2%増)、営業利益18.08億円(同0.82億円未達、同1.42億円未達、同21.8%増)、経常利益18.97億円(同0.97億円上振れ、同1.23億円未達、17.7%増)、税引利益20.07億円(同9.97億円上振れ、同4.87億円上振れ、65.3%増)となった。売上面では23/8期の124.98億円を抜いて過去最高を記録したが、新製品投入でコスト増から営業利益は未達に。なお受注は111.17億円(18.0%増)と回復もピーク時22/8期の181.39億円に対し61%水準にとどまり、本格回復とはなっていない。また受注残高は42.55億円(26.9%減)となった。

25/8Q3発表時点で期初計画を増額修正したものの、Q4で米国の関税政策の影響で中国向け、米国向けなどで受注が急減した。また一部製品に品質トラブルが有り、7/11修正予想に対し売上はほぼ計画線も、新製品投入に伴う初期コスト増などで営業利益は期初計画比でも未達成に。なお経常利益段階では為替想定比円安で期初計画比増額、税引利益は連結子会社のアドテックヘルスケアの持分会社への移行に伴う持分変動利益6.83億円を計上した事により、大幅な上振れとなった。配当については期初計画比5円増配の27円となっているが、これは創業40周年記念配当5円を付与するため。

部門別では半導体・液晶関連事業が売上高113.28億円(7.5%増)、営業利益17.02億円(16.2%増)、受注高97.73億円(12.5%増)、受注残高32.89億円(32.1%減)、生産高61.57億円(10.0%増)に。顧客所在地別売上ではAMATが中心の米国向けが13.83億円(16.7%減)とAMAT向けが減少、一方で中国が29.82億円(31.2%増)と、もともとシェアが低かった市場で大幅に伸びた。中心は北京E-Townセミコン向けが16.69億円と25/8期は同社最大ユーザーとなっている(前期比は不明、中国向けで構成比56.0%を占める)。シンガポール向けは16.20億円(17.6%増)となっており、ASM向けが16.41億円(19.7%増)と先端半導体向けのALD装置向けが好調に推移している模様。その他アジアは15.84億円(23.0%減)と、韓国向け、台湾向けなど伸び悩んだと見られる。国内は33.22億円(17.8%増)とエッチング装置向けは、24/8Q2をボトムに回復傾向も伸び悩んでいるなかで、光学薄膜向けが増加したとみられる。

四半期推移ではQ3の好調を受けて25/8期予想を若干増額したものの、米中摩擦やレガシー半導体の不振などで中国、米国向け受注が急減、売上もQ3対比Q4で大幅減となり、結果として計画未達となった。

利益面ではQ4での売上急減が影響、高周波電源・マッチングユニット生産台数が落ち込み、生産計画キャパに対し稼働率が大幅に低下した。また受注対応のため確保していた部材コスト高なども響き、国内も採算が劣ると見られる光学薄膜向けの比率が高まるなどでMIXが悪化した。加えて新製品投入が多く、初期出荷製品は国内で製造するためコスト増なども加わり総利益率が悪化、利益が下振れした。

四半期受注推移では25/8Q2まで順調に回復もQ3で同期比37.2%減、Q2比53.2%減と失速した。これがQ4の売上にも影響、Q4でも同期比16.2%減と反落状況が続いている。なお受注残高は32.89億円(同期比16.2%減)となっているが、平均的な適正納期が2~3ヶ月のため、受注残水準としては適正レベルにあるとのこと。

IDX部門(研究機関・大学関連事業)は売上高13.52億円(78.3%増)、営業利益0.37億円(0.89億円改善し黒字転換)、受注13.44億円(82.5%増)、受注残9.65億円(0.8%減)となった。前期の研究所向け納期期ずれ分が加わり大幅増収、利益も黒字に。受注は新たに医療装置向け電源受注を獲得し大幅増に。

全体としてQ3に半導体関連で受注が急減、Q4についても戻らない中で、新製品の投入による初期費用が嵩み、収益回復ながら四半期で息切れした。

 

26/8期8.5%減収12.6営利減予想と中国製造装置向け受注減と新製品コスト増で低迷予想

26/8期会社予想は売上高116億円(8.5%減)、営利15.8億円(12.6%減)、経常利益13.5億円(28.9%減)、税引利益10.1億円(49.7%減)予想と、中国製造装置向け受注減と新製品コスト増で低迷予想。なお部門別売上、受注予想は非開示。

半導体製造装置向け受注推移は、中国向けが在庫調整局面にある。下降トレンドが続いており、中国向けは27/8期まで回復が難しいとしている。一方、不振が続いていた収益性の高い米国向けは、10月に入り漸く受注回復局面に入ってきたとのことで、これは上振れが期待されるとのこと。ただし26/8期受注が増加に転じても納期は27/8期になるとのことで、売上面では苦戦が続くとしている。日本は半導体製造装置向けについて減少していないものの回復は鈍く、国内向けはオプトラン向けにiPhone向けに光学系のスパッタ装置、蒸着装置向けの伸びで補い、受注増を見込む。シンガポールのASM向けは引続き先端半導体向けの好調を持続し受注増が見込める模様で、再度同社の最大仕向け先となろう。全体として、26/8期半導体・液晶関連事業の受注は上期が低調に推移も、下期は新製品効果も加わり本格回復が見込める。

一方、利益面では25/8期以上に新製品の投入が相次ぐとして、初号機などを含め当初は国内で生産するためにコスト高が避けられないとして、減収影響とコスト高で売上総利益率がさらに悪化する見通し。また光学系電源は収益性が劣るため、MIX悪化もあり営利減予想とした。さらに経常利益は円安一巡で経常減益幅が大きくなるとしている。なお税引利益は持分会社移行利益がなくなり、利益半減予想としている。

現状、中国向けは米中半導体摩擦などの影響から不透明が続く見通しも、中国を除く半導体需要は先端半導体向けを中心に25年度下期から本格回復が見込まれ、特に米国向けなどは上振れが期待される。またASMのALDは先端半導体製造に必須のアイテムであり、受注拡大が見込める。現在、納期対応として2~3ヶ月で出荷対応可能とのことで、26/8H2について会社計画を上回る収益が見込めよう。

IDXについては量産品をアドテックプラズマへ移す動きの中で、官公需の伸び悩みで収益は横ばい基調が続こう。

全体として、半導体製造装置向けプラズマ電源が下期には本格受注回復し、下期に一部売上寄与はするものの、若干の上振れにとどまろう。

 

27/8期は半導体事業で新製品効果が本格寄与、再度売上更新期待で利益も急回復期待

27/8期はアドテックプラズマ単体として、半導体事業はALD最大手のASM向けの拡大に加え、ロジックではTSMCの熊本工場第2工場も25年末着工予定であったものが、10/16に25/Q3決算説明会ですでに建設が始めたとのアナウンスがあった。第2工場では1.7兆円程度(第一工場と合わせ3兆円の設備投資額が想定される)の設備投資が実行される見通しで、製造能力も第一工場の1.5倍規模が想定される。また遅延しているメモリー向け投資もマイクロンが北広島を含め国内で大型投資を実施、9/12には経済産業省がマイクロン・テクノロジーの広島工場の設備投資や研究開発に最大5360億円を追加支援すると発表、補助合計は最大7745億円に達する見通し。マイクロンは2029年度末までに最先端半導体の量産に向け1兆5000億円を投じる計画で、最先端品を月4万枚生産できる能力を整えるとのこと。28年6〜8月に出荷を始め、30年3〜5月に最大能力で生産できる計画となっている。さらに9/30に第8世代3次元フラッシュメモリーの製造を行う北方工場第2製造棟の稼働を始めたキオクシアも、26年本格稼働を始め、その後追加投資を行うことを表明するなど、国内だけでも先端半導体設備投資が目白押しとなる見通しにある。加えて米国ではTSMCがアリゾナで総額1650億ドルという巨額の設備投資を実行中で、現在第3工場が建設中である。また同社の主力ユーザーであるAMATが10/9に2nm以降を視野に入れた次世代半導体製造装置を3機種発表するなどの動きがあったが、その中にはエピタキシャル成膜装置も含まれる。さらに足元で受注拡大の期待が高まる。

同社は東京エレクトロン向けやアプライドマテリアルズ向けにエッチング用RF電源の新機種向け受注獲得を目指してきたが、ベトナム工場拡張で対応が可能となっており、26/8期に日本で製作した新機種を相次いで投入する。

具体的には新技術・新製品の投入について、まず世界最速RF制御電源のMarkVコントロールシステムの投入に期待が高まる。従来機に比べ電力制御が1000倍以上高速化、ユーザーオリジナルパターン波形も高精細に制御可能。連続出力、微細化で求められるパルス出力、周波数チューニング、チャンバー内のアーク放電抑制などをフルデジタル高速制御により複雑かつ多彩な出力が可能となっている。現在、ラインナップを拡充、次世代半導体製造装置向けの採用に向け期待が高まる。またマイクロ波電源については、従来のマグネトロンタイプに加え、発振周波数・発振波形、出力電力の安定性に優れた省エネタイプのマイクロ波ソリッドタイプ電源を半導体後工程製造装置メーカーと共同開発中。現在500W開発に加え、1kW開発が進行中で、27/8期以降の実用化が待たれる。IDXが民生用に直流バイポーラ電源の品揃えを強化、30KW製品が26/8期に光学系に採用され、27/8期にはベトナム工場で本格量産し売上拡大が見込まれる。またクリーニングなどで利用されるリモートプラズマ電源について、リモートプラズマ電源大手と協業して拡大を図る。同社はRFで一般的に採用されている13.56MHzではなく、2.45GHzのマイクロ波を利用。RFと比較し、高プラズマ密度で加工性が高く、電子温度が低く、ウエハへのダメージが小さい利点があり、微細加工、加工ダメージ低減、スループット向上などの要求にこたえる製品として期待が高まる。26/8期後半に量産開始、27/8期には本格拡大を目指す。

全体を通じ、先端半導体製造装置向けの拡大に加え、次世代光学薄膜製造装置向け、さらにはIDXのマイクロ波技術の応用拡大などで、27/8期には収益上伸が期待され、再度最高売上の更新、営業利益も大幅上伸が期待される。

株価は7/11の25/8Q3決算発表で25/8期増額修正を発表したものの、逆算して25/8Q4が大幅な収益悪化となる予想となったことで一瞬上昇したもののすぐに下落し、9/3には1231円まで下落した。その後は全体相場見直し、半導体製造大手の工場設備増強などのアナウンスもあり9/26には年初来高値1573円をつけた。しかしその後、10/10の25/8期決算発表で26/8期大幅収益悪化がアナウンスされたことで再度急落、10/14には1225円と9/3安値を下回る状況となっている。現在、26/8期会社予想EPS117.89円に対してPER10.9倍は東証スタンダード電機平均PER15.5倍に対し割安感がある。また高周波電源国内最大手のダイヘンの17.2倍に対し割安、京三製作所9.0倍と似通った水準にある。現状、受注は底這いも25/8期決算発表後に米国向けの受注が獲得できたなどのコメントが有り、9月に対し10月は受注増が見込めるとのこと。26/8期会社予想は控えめな予想と見られ、特に下期は受注回復で期中受注、期中売上も期待できることから、26/8期収益の上振れが期待される。また27/8期以降、新製品群の量産寄与が本格化、収益の上伸が見込める。このため、悪材料を織り込んだと判断、株価評価はポジティブ継続としたい。

(図表は決算補足資料などから添付、もしくはIRユニバースで加工、チャートはヤフーから添付)

 

 

 

                              *ダイヘン(6622)、京三製作所(6742)との比較

 

 

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