触媒資源化協会は2月5日、都内で恒例の新年会を開催した。冒頭の挨拶に立った安田会長は、地政学リスクの高まりや資源ナショナリズムの台頭に触れ、重要鉱物の安定供給におけるリサイクルの重要性を強調。協会が会員企業間の連携の「ハブ」となり、日本のサプライチェーン強靭化に貢献していく方針を示した。
■ 地政学リスクと「経済安全保障」へのシフト
安田会長は冒頭、昨年の協会設立50周年記念事業の成功に謝辞を述べた上で、昨今の国際情勢に言及した。トランプ政権発足から1年が経過し、保護主義的な政策が進む中、ウクライナや中東に加え、グリーンランドやイランなど新たな火種も生まれていると指摘。世界経済が従来の経済合理性に基づくグローバル経済から、自国の利益を最優先する「経済安全保障」重視へとシフトしているとの認識を示した。
■ 金属価格高騰と「重要鉱物」の課題
業界を取り巻く環境については、貴金属を中心とした金属価格の急激な変動に懸念を示した。価格上昇は売上増につながる一方、調達コストや在庫金額の増加を招き、企業の運転資金を圧迫する「ボディブロー」となっていると現状を分析した。
また、連日のように報道される「重要鉱物」について、「産業に不可欠だが供給リスクが高い」と定義。近年は産出地だけでなく、精錬やリサイクルがどこで行われているかが注目されているとし、アジアの大国(中国)がレアアース、リチウム、コバルト、銅などの精錬・リサイクルで高いシェアを占めている現状を指摘した。
■ 「ワンストップ」から「ネットワーク連携」へ
安田会長は、協会会員が扱う金属と重要鉱物が大きく重複していることから、業界の役割がますます重要になっていると強調。その上で、「リサイクルは一社単独(ワンストップ)では完結しない」とし、企業間のネットワーク連携が不可欠であると説いた。
最後に安田会長は、「今年は本協会を連携のハブとして活用し、日本のサプライチェーンの強靭化と会員企業の収益向上につなげてほしい」と呼びかけ、会員企業の発展と出席者の健康を祈念して挨拶を締めくくった。
(iruniverse yt)