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鍛圧機械受注2026年3月報告 3月は前年増月比19.9%増の334億円、23年9月以来の300億円乗せ、EV低調もデータセンタ、発電所投資等向けに活路

2026/04/14 08:30
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鍛圧機械受注2026年3月報告 3月は前年増月比19.9%増の334億円、23年9月以来の300億円乗せ、EV低調もデータセンタ、発電所投資等向けに活路

日本鍛圧機械工業会受注調査 26年3月受注19.9%増340億円、25年度の月次最高額

 

鍛圧機械3月受注は同月比19.9%増の340億円と23/9の362億円以来の300億円乗せ

金属加工機械である鍛圧機械の3月受注(4/8発表)は339.93億円(同月比19.9%増、前月比61.6%増)と2か月連続で同月比大幅増となった。また25年度中で単月最高額、また月次300億円超えは23年9月の362億円以来の数字となった。なおサービス等を加えると443.69億円(同月比14.8%増)、同様に23年9月の444億円以来の400億円大台超えとなった。

内外ともに25年度中の月間最高額、特に外需は同月比3.0倍129億円と中国、北米が牽引

国内が210.70億円(同月比12.2%減、前月比65.5%増)と再度同月比減に転じたものの、年度末ということもあり、2025年度の中では9月の207.67億円を抜いて年度内では単月最高額となった。鉄鋼57.1%増、金属11.1%増も、電気29.6%減、輸送53.5%減、一般19.3%減と、半導体関連の回復や社会インフラの関連は堅調も、自動車生産・販売が低調で、EV向けの冷え込みなどもあり、冴えない動きに。輸出は129.23億円(同月比3.0倍、前月比55.7%増)と同月比5ヶ月連続増となり、25年度中では12月の112.67億円を抜いて月間最高額、23年7月の165億円以来の額となった。

 

機種別でもプレス系、板金系とも25年度中の月間最高額。特に板金系は15/6以来の額に

機種別でプレス系が156.09億円(同月比54.0%増、前月比22.6%増)で5ヶ月連続同月比増となり。2025年度に入り9月の135億円を抜いて月間最高額、24年8月の184億円以来の金額となった。製品別では、小型プレス33.9%増、超大型2.9倍、油圧プレス2.2倍増、中型プレス15.7%増で、大型プレスは減少した。なお、国内外別では海外向けが5か月連続で同月比増加、国内は増減を繰り返す展開となっている。板金系は183.84億円(同月比0.9%増、前月比2.2倍)と2ヶ月連続同月比増となった。また25年度中では25年9月の143億円を抜いて月間最高額、25年3月の182億円以来、1年ぶりに180億円乗せで、2015年6月の194億円以来の高い数字となった。レーザー・プラズマのみ22.8%減で、パンチング9.2%増、ブレーキ・シャー19.3%増などとなっている。内外別では外需が2.7倍、国内は15.6%減となっており、海外大型案件の寄与が大きい輸出とは対照的な結果となった。

2025年度鍛圧機械受注は2.8%増の2534億円、3期ぶりに増加に転ずる

 25年度の鍛圧機械受注額は2533.56億円(2.8%増)となり、3期ぶりに増加に転じた。工業会の期初計画2600億円に対して66億円未達も、7月の減額修正予想2440億円に対して94億円上振れて着地した。

 内外動向では、国内が1458億円(期初計画比22億円未達、7月修正予想比48億円上振れ、前期比0.6%減)となった。これはプレス系の国内向けがEV向けなど低調で、下期挽回したものの期初計画には届かなかった。輸出は1075億円(同90億円未達、同45億円上振れ、同7.9%増)となった。プレス系がトランプ関税の影響で上期に輸出が低迷、下期に復調した格好となった。板金系では年度を通じてプラスに推移、板金系の曲げや打ち抜き向けが好調だった。またAIデータセンタ関連でプレスブレーキやパンチング、ファイバーレーザ、剪断機、周辺自動機など、配電盤・受送電設備、冷却/筐体・サーバーラック向けなどが好調に推移している。地域別では中国向けが44%増、北米10%増などが牽引、インドは反動減で25%減にとどまった。なお輸出は円安影響が寄与し面もあると見られる。

 機種別ではプレス系が1309億円(同91億円未達、同69億円上振れ、同0.7%増)となった。上期はトランプ関税影響が大きく、下期はこれが軽減されて持ち直し、円安効果も寄与したと見られる。板金系は1225億円(同25億円上振れ、同25億円上振れ、同5.2%増)と堅調に推移した。これはAI系社会インフラ関連などが堅調に推移したこと、円安も寄与したとみられる。

全体として、受注は堅調も、販売はまだ弱い。また板金系と輸出の戻りが目立ち、プレス系が横ばい圏まで漸く戻した格好。まさにEV向けの大型プレスの停滞を、板金・重電・デジタルインフラ、加えて中国向けの拡大で埋めた形の25年度受注だったと言えよう。

 

2026年度工業会予測は受注高2540億円(0.2%増)と、ほぼ横ばい予想

 工業会では昨年12月に26年度受注見通しを発表している。具体的には受注額を2540億円(0.42%増)と、ほぼ横ばい予想としている。内訳は国内が1410億円(3.3%減)、輸出を1110億円(3.3%増)としている。また機種別ではプレス系を1280億円(2.2%減)、板金系1250億円(2.0%増)予想としている。

 全体として、EV向けの見直し影響が依然として継続する中で、AIデータセンタなどの社会インフラ整備に伴う需要増が期待され、EV向けの停滞を埋めて横ばい維持を予想しているものとみられる。このため、プレス系はEV低空飛行を受けて減少、データセンタ、発電設設備増強などで板金系が緩やかに拡大しカバーする形に。

現状は、26年3月に月次としてかなり大きな受注額を獲得(類似の工作機械受注は月間最高額を大きく更新)している。この背景には、世界的なサプライチェーンの再構築、AI社会の到来を迎え、AIデータセンタの世界的な建設ラッシュ、これに伴う大型発電所建設、また先端半導体設備投資の加速も加わったことが指摘できる。EVについては伸び率鈍化も、着実に拡大して行く方向で、一方ではHEV、PHEVに対する需要拡大か新たな設備増強の動きも活発化している。このため、25年度同様にEV向けの伸び悩みをAI、電力設備投資向けなどで埋める形が継続するとみられる。為替についても円安が継続する可能性が高く、高性能で長寿命の日本の鍛圧機械について、工作機械同様に割安感が顕著となっている鍛圧機械への海外からの受注は政情不安の中でも受注増加を維持しよう。

高市政権の戦略投資による特需による内需拡大の期待高まる

加えて日本特有の動きとして、高市政権の戦略投資による特需が見込める。具体的には

省エネ促進法に伴う鍛圧機械業界へのインパクトが見込まれる。これは総額3000億円規模の中小企業省力化投資補助事業」(省力化補助金)特需を鍛圧機械業界も享受できるとみられるため。「中小企業省力化投資補助事業」(省力化補助金)は人手不足に悩む中小企業等の省力化投資を後押しし、付加価値額・生産性向上と賃上げにつなげることを目的とし、人手不足に悩む中小企業等がIoT・ロボット等のデジタル技術を活用した設備を導入するための経費の一部を補助し、省力化投資を促進する制度。鍛圧機械業界でいちばん重要な「革新的技術」は、単なる高剛性・高速化ではなく、①サーボ化、②工程複合化、③自動化・無人化、④AI/IoTによる最適化、⑤省エネ対応である。日本市場でも、足元の受注は自動車の一服感でまだら模様であるものの、自動化安全装置や板金系、データセンタ・半導体関連、人手不足対応投資が支えになっている。すなわち、鍛圧機械業界へのインパクトは「法律そのものによる受注増」より、省エネ補助金+工場の受変電設備や生産設備の更新需要が連鎖的に寄与するものとみられる。具体的には補助対象になっているサーボプレス/プレスブレーキ/パンチングを持つ会社への恩恵が期待される。プレス機械や板金機械を合わせて、国内では約20万台〜30万台規模が稼働していると推計されるが、設備年齢の分布(老朽化の深刻化)で「設備の高齢化」が問題となっている。30年超の設備が半数近くあり、国内で稼働するプレス機械の約50%前後が、導入から20〜30年以上経過していると推測される。これに対し、政府による設備近代化補助を継続・強化する形で特需的な需要が喚起されよう。

なおプレス、板金機械間の搬送機器ロボットなどがカタログ対象に多く掲示されており、ソリューション事業も手掛ける上場企業のアマダやアイダエンジニアリング、小松系列のコマツ産機、ニデック系のニデックドライブテクノロジー、村田機械などへの受注インパクトが期待される。

 さらに高市政権では戦略17分野の一つとして掲げ、2035年までに国内造船建造能力を現在の倍の1800万総トンに引き上げる計画を掲げている。このために造船業界の建造能力増強、近代化設備投入などを優先課題として掲げている。しかし現実には大きな問題が生じている。具体的には、造船の25年度輸出船契約実績(受注量)が、24年度比15%減の940万総トン、3月末時点で造船各社は受注残高として2935万総トンの工事量を抱えている。手持ち工事としては約3.5年分、つまり2029年まで新規需要を取り込めない状況に陥っている。最大の課題は人で不足、老齢化であり、受注残高が豊富にある中でドックの稼働率がピーク時半の状況のドックもある。このような環境下で、政府はロボット導入による自動化、無人化、老朽化設備の更新が急務となっている。また造船については水素やアンモニアなどの次世代燃料船への買換需要も出てくるため、最新の鍛圧設備などが求められる。具体的には厚板対応プレスブレーキや厚板レーザ/プラズマ加工機、大型ベンディングマシンなどで、これらの受注拡大も期待される。この他、防衛産業などでも設備更新需要が高まる見通しにある。

このため、2026年度について、鍛圧機械受注はEV向けの停滞をデータセンタ、発電所建設や半導体新工場などの関連需要で補い、加えて高市政権の国力強靭化政策、戦略17分野の強化も寄与し、工業会予想を多少上回る受注拡大に期待がかかる。

(*図は日本鍛圧機械工業会からIRユニバース加工)

 

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