2026年5月のチタン原料市場は値下がり傾向となっている。中東紛争の長期化による輸送コストの上乗せが一巡し、最終製品の需要縮小懸念の方がより意識され始めた。酸化チタンが値下がりしたほか、金属チタンは横ばいで、様子見気分も目立つ。
FerroAlloyNetは4月30日までの週刊レポートで、「労働節などの休日もあり、実際の取引が少なくなっている」と指摘。「原材料のうち鉱石は輸入品もあって豊富だが、精錬過程で必要な硫黄などが中東紛争で滞っている」とした。しかし、最終需要の弱さから「調達側が高値での取引を渋っている」といい、膠着感も広がっている。
■鉱石価格は6年ぶり安値
過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

酸化チタンは5月1日に仲値$2425/tonを付けた。4月24-30日の$2482.5をピークに調整が入った。中長期では2022年夏以来の高値圏にある。
過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

鉱石価格も下落した。5月1日に$244/tonと2020年7月以来ほぼ6年ぶりの安値圏に沈んだ。2月13日-3月25日の$254.5が直近でのピークとなった。かねて、モザンビーク産鉱石などは輸送コストの影響を受けないとされ、コスト上乗せの恩恵は受けにくかった。
■四塩化チタン値上がり、合金向けとフェロチタンは横ばい
過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

半面、四塩化チタンは値上がりした。5月1日にRMB5600/mtと2025年7月以来の高値を付けた。
過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

金属チタンとフェロチタンと同じく2025年夏以来の高値水準にある。ただ、値動きは鈍く、合金向けの一般産業向けスポンジチタンは4月半ばから、フェロチタンは4月上旬からほぼ横ばいとなっている。
過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

ルチルは2026年に入ってから動きがない。航空機向けスポンジチタンは2023年初めから横ばい。
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4月30日

富士チタン工業は4月30日、自社ホームページ上で、神戸工場で4月19日に発生した火災について5月中旬に操業再開などを公表すると発表した。
この火災については親会社の石原産業が4月20日に詳細を発表。人的被害はないものの、排ガス処理設備が被災し、操業は停止しているとしていた。
プレスリリース: 2026.04.30_kobe2.pdf
関連記事: 富士チタン工業神戸工場で火災―排ガス処理設備被災で操業停止
4月24日
JX金属と東邦チタニウムは4月24日、経営統合について同日開催の東邦チタニウムの臨時株主総会で承認を得たと発表した。6月1日を効力発生日とする。
関連記事: JX金属、東邦チタニウムを6月に完全子会社化へ
4月16日
神戸製鋼所は4月16日、高砂製作所(兵庫県高砂市)をNCチタン生産などに運用すると発表した。
関連記事:神戸製鋼所、カーボンニュートラルへの挑戦に向け実証・実装拠点「TAKASAGO GX Try Field」を運用開始