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日本冶金工業:26/3期決算、「中期経営計画2026-2028」を発表

2026/05/08 17:08
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日本冶金工業:26/3期決算、「中期経営計画2026-2028」を発表

 5月8日15時半、日本冶金工業は26/3期の決算を発表、続く27/3期は増収増益になる見通し。また、同時に26年度を初年度とする「中期経営計画2026-2028」を発表した。これらについては、後日開催予定の決算説明会後に再度報告する。

 

<26/3期実績>

〇実績

 同期の販売数量は前年度比6.8%減(高機能材9.9%減、一般材5.0%減)、売上高は1,508億円(前年度比212億円減)となった。また、利益面については、営業利益109.7億円(前年度比59.9億円減)、経常利益96.5億円(前年度比65.4億円減)、当期利益72.1億円(前年度比43.6億円減)となった。

 

図表1、26/3期実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

<27/3期業績見通し>

〇環境

 同社グループを取り巻く事業環境は、半導体関連の需要は今後も好調に推移する見通しであり、輸入材の流入はピーク時に比べて減少傾向が見られ、足元のステンレス一般材の受注状況は回復基調にある。

 その一方、中東情勢によるエネルギー価格の高騰や経済活動の減速など地政学的リスクは高まっており、その影響を定量的に予測することは困難な状況。

 

〇見通し

 このような認識のもと、同社グループにおいては、本日公表の「中期経営計画2026-2028」で掲げた諸施策を着実に実行し、収益基盤や財務基盤の強化に努めていく。

 これらを踏まえた27/3期業績予想は下記の通り。なお、為替は115円/ドル、ニッケルを7.5ドル/ポンドを前提としている。

 

図表2、27/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<中期経営計画2026-2028>

〇策定の背景

 同社グループは、25 年の創立 100 周年を超えてその先の持続的な成長を遂げるため、23年度からの3 年間を対象とする「中期経営計画2023」を策定した。「中期経営計画2023」では、「製品と原料の多様化」を追求し、ニッケル高合金・ステンレス市場におけるトップサプライヤーとして地球の未来に貢献することを目標に掲げ、諸施策を実行してきた。

 その結果、「中期経営計画 2023」の達成目標「EBITDA:200 億円以上」に対しては、23 年度、2024 年度で目標を上回る収益を計上したものの、最終年度である 25 年度は目標未達となった。

 その背景として、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、米国の関税政策、中国の景気低迷などにより、海外を中心とした高機能材市場の需要低迷や脱炭素化のトーンダウンといった影響があった。また、国内一般材市場では、在庫調整局面からの回復が遅れる中で輸入材の脅威にも晒され、苦戦を強いられた。

 足元においては、中東情勢の緊迫化、先の見えないロシア・ウクライナ情勢、米国の予想外の政策混迷などにより、原燃料の供給不安や価格高騰などの経済環境の激変、不透明な政治情勢、地球環境問題といった様々な事業環境への影響が想定される。

 こうした予測困難な経営環境を踏まえつつも、将来に向けて持続的な成長を続けるため、26年度から 28 年度までの 3 年間で達成する施策を「中期経営計画 2026-2028」としてまとめた。

 

〇概要

1.中期経営計画 2026-2028 で目指す姿

 「ニッケル高合金・ステンレス市場のトップサプライヤーとして、新領域へ挑戦し進化を続けるレジリエントカンパニー」

2.3 つの基本戦略

①新たな領域での市場ニーズの探求と、必要なアイテムの開発と提供

・高機能材部門:成長市場・分野への戦略的な取り組みによる拡販と開発推進

 1) 高機能材拡販に向けた組織力の強化

 2) 既存材料の対応領域、供給力拡大

 3) 新たな市場領域開拓に向けた新合金(高機能材ハイグレード品)と製造プロセスの開発

 4) 一般材部門から新たに高機能材部門にシフトした商品の拡充展開

・一般材部門:輸入材にはない価値の提供による国内ステンレス事業の強化

・グループ会社との連携による営業基盤確保

 

②技術を追求し、あらゆるニーズに対応可能な生産体制を構築

・QCD 競争力強化:生産技術の進化による競争力トップの高機能材生産体制の確立(製造プロセス革新、顧客ニーズの実現)

・調達力強化:原料の多様化と原料・資材の安定調達(フレキシブルな原料運営、カーボンレス・ニッケル製錬ルッペ(フェロニッケル)の活用拡大 他)

 

③環境変化に対応し、持続可能な経営基盤を確立

・環境配慮:カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み

・人材施策:将来を見据えた人的資本計画の遂行

・DX・AI 活用:DX 推進による業務プロセス変革と IT 基盤整備

・財務基盤強化:「信用格付 A 格」取得を視野に入れた財務基盤の強化

 

〇設備投資計画

 同社グループの戦略分野である高機能材部門の「稼ぐ力のブラッシュアップ」と将来に向けた「新たな分野の開拓」に資する新設備の導入、競争力強化・カーボンニュートラル関連の戦略投資のほか、基盤強化、更新投資、グループ会社投資も含め 3 ヵ年累計で 382 億円(意思決定ベース)の設備投資を計画。

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇キャッシュ・アロケーション

中期経営計画 2026-2028 期間中の収入合計 817 億円の 50%超に当たる 451 億円を設備投資と研究開発費(=将来への投資)に配分する計画。

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇達成目標

注意:安定的かつ継続的な株主還元を実施する観点から、DOE(株主資本配当率)2.8%を配当金額の下限とする。

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

<参考>

図表3、四半期別の業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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