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4月の銅の概況及び5月の見通し 銅は高値圏継続、5月は為替と米中・中東リスクに注意 橋本アルミ(株)

2026/05/12 16:30 FREE
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予想レンジ

項目5月予想レンジ見方
LMEセツル12,700-13,800ドル高値圏継続。供給不安と投機資金が下支え。
国内銅建値2,100-2,330円為替159円前後なら2,200円台を試す場面。
為替156~163円(1か月間TTM)円安基調。米金利・日銀会合・中東情勢で振れやすい。

■国際概況

4月のLME銅は、米国の関税政策、米金利見通し、中東情勢、鉱山供給不安を背景に高値圏で推移した。月前半は利益確定で調整する場面もあったが、ドル円が160円前後まで円安方向に振れたことで、国内建値は下支えされた。5月は米国の金融政策と中国需要、さらに中東・南米鉱山の供給ニュース次第で上下に振れやすい。スクラップ市場では、高値警戒で売り急ぎと様子見が交錯し、高品位材は引き続きタイトな状態が続きやすい。

■前月の経済指標

◆月間のドル/円レート(TTM) 2026年4月の月中平均は159.40円。月中高値160.39円、月中安値158.65円。

 

【国内指標】

【自動車生産】

直近の3月実績では、国内主要乗用車メーカーの生産台数は前年同月比+8.7%の74万8164台、輸出は同-0.3%の33万6544台となった。2か月連続で前年を上回り、自動車向けアルミ需要の下支え材料となっている。

1月2月3月
生産台数64万3000台70万2000台74万8164台
前年比-1.0%+0.5%+8.7%

 

 

 

【自動車販売】

自販連・全軽自協の4月速報では、登録車と軽自動車を合わせた新車販売台数は37万3,933台、前年同月比+9.1%。登録車は25万5,370台、軽自動車は11万8,582台。

1月2月3月4月
販売台数367,720台394,961台490,628台373,933台
前年比97.7%96.5%98.2%109.1%

【住宅着工戸数】

直近の3月の新設住宅着工戸数は6万3495戸、前年比-29.3%。持家・貸家・分譲住宅がいずれも減少し、季節調整済年率換算値も前月比-1.9%となった。建材・サッシ・押出材向けのアルミ需要には引き続き弱材料である。

【伸銅品生産】

日本伸銅協会の発表では、2026年3月の伸銅品生産量速報値は6万10トン、前年同月比+4.3%。

1月2月3月
生産量53,890t55,360t60,010t
前年比+5.3%+4.5%+4.3%

【日本電線工業会 出荷速報(推定)】

日本電線工業会の出荷速報では、直近の2026年3月銅電線出荷量は約4万9,800トン(銅量ベース)とみる。2月は4万5,200トンで前年同月比-3.4%。3月は年度末需要で前月から持ち直した。

1月2月3月
出荷量46,300t45,200t49,800t
前年比-1.0%-3.4%+3.8%

◆貿易関連指標(3月分)

財務省の令和8年3月分貿易統計速報では、輸出額は11兆33億円で前年同月比+11.7%、輸入額は10兆3,363億円で+10.9%、差引額は6,670億円の黒字。財務省3月分の品別表画像から確認できる電気銅関連では、精製銅輸出合計は68,834t、金額135,988,033千円、平均単価1,976円/kg。内訳は陰極銅63,457t、ビレット1,659t、その他3,718t、ワイヤバー0t。精製銅輸入は454t、金額897,286千円、平均単価1,976円/kg。銅スクラップについては、3月分の財務省貿易統計より、輸出36,543t、輸入33,921tを反映した。電気銅・銅スクラップともに、3月は高値圏の銅相場と為替水準を背景に、数量・単価の双方を注視する局面となった。

指標2026年3月前年比・コメント
電気銅輸出(精製銅合計)68,834t

 
内訳:陰極銅63,457t、ビレット1,659t、その他3,718t、ワイヤバー0t。
銅スクラップ輸出36,543t財務省3月分貿易統計の実績値を反映。
電気銅輸入(精製銅)454t


 
品目コード7403.11-030。精製銅500円/kg超の輸入実績。
銅スクラップ輸入33,921t財務省3月分貿易統計の実績値を反映。

■国内概況まとめ

4月の国内銅・銅合金スクラップ市場は、LME銅の高値圏推移とドル円の円安基調を受け、建値・スクラップ価格とも高止まりした。需要面では、3月の自動車生産が前年比プラスとなり、4月の新車販売も登録車を中心に回復したことで、自動車・半導体・電子部品向けの伸銅品需要は底堅い。一方、住宅着工は3月に大幅減となり、建設・住宅設備向けの銅管・電線需要には弱さが残る。電線は年度末需要で3月に持ち直したが、住宅・建設向けの力強さは限定的で、電力・設備更新向けが下支えする構図。貿易面では3月の電気銅輸出が68,834t、銅スクラップ輸出が36,543t、輸入が33,921tとなり、高値圏の銅相場と為替水準を背景に、数量・単価の両面を注視する局面となった。

スクラップ発生は、年度末要因の反動で4月後半からやや落ち着いたとみられる。高品位材は引き続きタイトで、需要家は高値警戒を持ちながらも、良質材の確保を優先する場面が多い。一方、込銅・真鍮系など選別負担の大きい材料は、品質差や歩留まりによって価格差が広がりやすい。5月は大型連休明けの荷動き再開で一時的に数量が出る可能性はあるが、銅建値が2,100~2,200円台で推移する限り、売り手の様子見と買い手の高値警戒が交錯し、全体としては高値圏で神経質な商いが続くとみる。

【見通し】

【自動車生産】5月は大型連休の稼働日減少があるものの、3月の回復基調を踏まえ、前年並みから小幅増を見込む。
【自動車販売】4月は4か月ぶりにプラス転換。5月は環境性能割廃止後の需要と新型車効果が支えとなる一方、軽自動車は一服感が残る。
【伸銅品生産】5月は自動車・半導体向けを中心に底堅いが、住宅・建設関連の弱さが上値を抑える。5万7千~6万トン前後の水準を想定。
【電線】5月は連休要因で数量はやや落ちる可能性があるが、電力・自動車・設備更新向けで下支え。4万6千~5万トン前後を予想。
【スクラップ景況予想】銅建値が2,100~2,3300円台で高止まりする場合、発生側は売り時を探る一方、需要家は高値警戒で買いを絞る場面が出やすい。高品位材は不足感が残り、込銅・真鍮系は選別品質による価格差が広がる見通し。
【LME・為替予想】LME銅は12,700~13,800ドル、為替は156~163円を想定。米金利上昇観測と中東情勢がドル高・資源高要因となる一方、中国需要の鈍化や利益確定売りが上値を抑える。国内銅建値は2,100~2,250円程度の高値圏を予想する。

 

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