Loading...

4月のアルミ概況および5月の見通し 高値圏のアルミ、5月は買い場より在庫管理の月 橋本アルミ(株)

2026/05/12 16:33 FREE
文字サイズ

予測レンジ

項目5月予測レンジコメント
LME現物後場買い 3400-3750ドル4月は3500ドル台中心。高値疲れはあるが供給不安で下値限定。
スクラップ横ばい-+20円(前月最終価格より)合金メーカーの採算は厳しいが、原料確保優先の買いが続く。
為替157-164円(一か月間TTM)4月末も160円台。円安基調を想定。

 

■国際概況

4月のLMEアルミは、高値圏での乱高下となった。4月平均はおおむね3600ドル前後まで切り上がり、月中には3600ドル台を試す場面もあった。背景には、中東情勢によるエネルギーコスト上昇懸念、湾岸産地金の供給不安、ドル高・円安による国内輸入コスト上昇がある。一方、急騰後の利益確定売りや中国需要の伸び悩み観測もあり、一方的な上昇ではなく、3500ドル台を中心とした荒い値動きとなった。

5月は、地政学リスクが残る限り下値は限定的とみる。ただし、4月に大きく上げた分、需要家の買い控えやスクラップ価格への転嫁遅れが出やすく、現場では「高値でも売りづらい、買いづらい」局面になりやすい。

■前月の経済指標

◆月間のドル/円レート(TTS) 161.67円(4月1日)→161.39円(4月30日) ※月末も160円台を維持。

出典 三菱UFJリサーチ&コンサルティング公表相場等を参考に作成

 

【国内指標】

【自動車生産】

直近の3月実績では、国内主要乗用車メーカーの生産台数は前年同月比+8.7%の74万8164台、輸出は同-0.3%の33万6544台となった。2か月連続で前年を上回り、自動車向けアルミ需要の下支え材料となっている。

1月2月3月
生産台数64万3000台70万2000台74万8164台
前年比-1.0%+0.5%+8.7%

 

出典 生産動態統計・主要メーカー速報を参考に作成

 

【自動車販売】

自販連・全軽自協の4月速報では、登録車と軽自動車を合わせた新車販売台数は37万3,933台、前年同月比+9.1%。登録車は25万5,370台、軽自動車は11万8,582台。

1月2月3月4月
販売台数367,720台394,961台490,628台373,933台
前年比97.7%96.5%98.2%109.1%
出典 日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会

 

【住宅着工戸数】

直近の3月の新設住宅着工戸数は6万3495戸、前年比-29.3%。持家・貸家・分譲住宅がいずれも減少し、季節調整済年率換算値も前月比-1.9%となった。建材・サッシ・押出材向けのアルミ需要には引き続き弱材料である。

【アルミ圧延・押出品生産数】

日本アルミニウム協会がまとめた3月のアルミ圧延品(板・押出)の出荷量は、前年同月比+6.3%の15万2481トンと5か月ぶりにプラスへ転じた。板類・押出ともに持ち直しがみられ、自動車向けや缶材関連が下支えとなった。

1月2月3月
出荷量13万1620t13万1620t15万2481t
前年比-2.3%-2.3%+6.3%

 

出典 日本アルミニウム協会・業界公表値を参考に作成

 

【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】

日本アルミニウム合金協会の3月実績では、アルミニウム二次地金・同合金地金等の生産は7万153トン、出荷は6万8815トンとなった。前年同月比では生産・出荷ともに2桁増となり、自動車向けを中心に回復基調が続いている。ただし、協会注記では令和7年12月から集計工場数が増加しており、前年比は大きく出やすい点に注意が必要である。

1月2月3月
生産量6万3592t6万3592t7万153t
出荷量6万4049t6万4049t6万8815t

 

出典 日本アルミニウム合金協会

 

【貿易指標】

輸出は新地金885t、二次合金(再生塊)924t、アルミスクラップ3万6440t、アルミ缶6504tを反映した。輸入は新地金8万9497t、二次合金・合金地金7万9137t、スクラップ1074t、合金スクラップ1万224t。3月は円安と国際相場の高止まりを背景に、輸入コストが高い水準で推移する一方、アルミスクラップ輸出も3万6千t台と一定量を維持した。国内では二次合金向けの原料確保が続くなか、輸出採算と国内買値の綱引きが続いており、良質材は国内外ともに引き合いが残る展開となった。

 

【輸出】

品目3月実績前年比備考
新地金885t+80.4%3月実績
二次合金(再生塊)924t-15.3%3月実績
スクラップ3万6440t-0.7%3月実績
アルミ缶6504t-16.9%3月実績

 

出典 財務省貿易統計・既存月報データを参考に作成

 

【輸入】

品目3月実績備考
新地金8万9497tアルミ地金99.0%以上
二次合金・合金地金7万9137t合金地金
スクラップ1074tくず
合金スクラップ1万224t合金くず

 

出典 日本アルミニウム合金協会・財務省貿易統計

 

■国内概況まとめ

4月の国内アルミスクラップ市場は、国際相場と為替の上昇で原料価格は高値圏に張り付いた。一方で、需要面では自動車販売・生産が持ち直し、二次合金向けは底堅い。ただし住宅着工は3月に大幅減となり、建材・押出関連の回復は鈍い。缶材や自動車関連は比較的強いが、建設関連の弱さを完全に補うほどではない。

スクラップ発生は年度末要因の反動で4月後半からやや落ち着いたとみられる。高品位材は引き続きタイトで、買い手は価格よりも数量確保を優先する場面が多い。一方、低品位材や選別負担の大きい材料は、価格転嫁が遅れると荷動きが鈍くなりやすい。 貿易面では、3月輸出はアルミスクラップ3万6440t、アルミ缶6504t、新地金885t、二次合金(再生塊)924tとなり、スクラップ輸出は前月から増加した。

[見通し】

【自動車生産】

5月は、3月の生産増を受けて自動車向け需要は底堅い展開を見込む。大型連休による稼働日減はあるが、部品不足の大きな悪化がなければ、前年並みから小幅プラス圏で推移しやすい。

【自動車販売】

4月販売は登録車が大きく増えたが、税制変更前後の登録タイミングの影響も考えられる。5月は反動減の可能性を見ながらも、受注残の消化が進めば、登録車中心に底堅い推移を想定する。

【住宅着工戸数】

3月の大幅減を踏まえると、5月も住宅・建設向けアルミ需要は弱含みが続く見通し。資材高、人手不足、金利上昇観測が着工マインドを抑え、押出材・建材スクラップの発生にも重しとなる。

【アルミ圧延・押出品生産数】

3月は5か月ぶりのプラスとなり、4月から5月にかけても缶材、自動車、輸出向け板材が下支えする見込み。ただし住宅建材向け押出は弱く、全体では急回復というより、低位からの持ち直し局面とみる。

【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】

5月の二次合金生産は、自動車向けダイカスト需要を中心に底堅いと予想する。原料スクラップ高と電力コストが採算を圧迫するため、メーカーの買値上げには慎重さも残るが、良質材不足から購買価格は高止まりしやすい。

【スクラップ景況予想】

5月の国内アルミスクラップ需給は、連休明けの荷動き再開で一時的に数量が出るものの、良質材は引き続きタイトとみる。合金メーカーは原料確保を優先する一方、製品価格への転嫁遅れから過度な高値追いには慎重。スクラップ価格は横ばいから小幅高、品種間格差が広がる展開を予想する。

【LME・為替予想】

●LME予想 5月のLMEアルミ価格は、1トン=3400~3750ドルを中心に推移すると予測する。中東情勢・電力コスト・湾岸供給不安が上値材料となる一方、4月急騰後の利益確定売りや中国需要の鈍さが上値を抑える。高値圏で荒い値動きが続くが、供給不安が残る限り大きな崩れは想定しにくい。

●為替予想 157円~164円。4月末もドル円は160円台で推移しており、米金利・地政学リスク・日本の貿易収支悪化懸念が円安圧力となる。5月も急な円高よりは、150円台後半から160円台前半での推移を想定する。

●合金メーカースクラップ購買価格 横ばい~+20円程度を予想。高値警戒感はあるが、良質材不足と為替円安が下支えとなる。

関連記事

新着記事

ランキング