5月12日17時半、古河電工は14時に発表した26/3期の決算を受けて電話会議を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は、ポイントについて森平CEOが、詳細について青島CFOが、それぞれ行った。
<25年度実績および26年度予想のポイント>
〇25年度実績(資料5P)
■ データセンタ関連製品の需要増加により前年度比で増収増益
■ 営業利益は前年度比36%増の639億円(前回予想比+79億円、すべてのセグメントで予想値を上回る)
■ 25中計の各財務目標を達成(資料参照)
図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇26年度予想(資料6P)
■ データセンタ関連製品※1が収益伸長に貢献
■ 中東情勢による経済活動への影響について、現時点で業績予想には未反映※2
図表2、26/3期予想(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
※1データセンタ関連製品
• 水冷モジュール製品の量産開始(26年6月予定)
• ローラブルリボンケーブル、MTフェルール、光半導体製品(DFBレーザチップ等)の売上伸長(増産投資効果を含む)
• 銅箔の製品ミックス転換
※2中東情勢緊迫化の影響について
■ 原材料費(主に合成樹脂)・輸送費の上昇や、顧客需要変化等の26年度予想への影響は現時点で合理的な算出が困難なため、業績予想には未反映
・コスト増(原材料・輸送費)や原材料等の不足による販売減→価格転嫁。 代替品/代替調達先への切り替えなどで対応
・顧客需要の変化→早期情報収集と、 それに基づく生産の最適化
〇株主還元(同8P)
■ 25年度の期末配当は、1株当たり210円を予定 (26年2月9日公表の160円から50円増加の210円を予定)
■ 株主還元方針の変更
安定的かつ継続的に株主還元していくことを基本方針とし、親会社株主に帰属する当期純利益の30%を目途として業績に連動した配当を実施
⇩
ビジョン2030の期間(26年度~30年度)は、企業価値向上に向けた投資を進めたうえで、安定的な株主還元を行うことを基本方針とし、株主資本の3.5%を目途とした配当を実施
■ 26年度の年間配当は、1株当たり220円を予想。なお、中間配当の再開を予定(7月1日予定の株式10分割を加味すれば1株当たり年間配当金は22円)
※配当性向30%から低下するが、将来のさらなる事業成長、収益伸長によって株主の期待に応えていく。
<25年度実績および26年度予想の詳細>
〇25年度実績(同10P)
売上高・営業利益は後ほど。
営業外収益は、海外持分法適用関連会社が好調、円安による為替差損益の改善により増加。
特別損益は、退職給付制度改定期と製品補償引当金繰入額の減少により改善した。
前回予想対比は、データセンタ関連製品等の売上増により営業利益が増加したことに加え、特別利益で株価上昇に伴い退職給付制度改定期が増加したことで、当期利益が予想を上回った。
〇売上高の増減(同11P)
売上高は、前年同期比+1,058億円。地金価格の変動、為替影響を除き、連結範囲の移動等を含めた実質的な変動は+735億円。
実質的な変動の動主な内訳は、情報通信ソリューションで約620億円増加、電送エレクトロニクス材料で約150億円増加、機能製品で約110億円増加、エネルギーインフラで約30億円の減少、自動車部品、電池で、古河電池の非連結化を含み約130億円減少となった。
〇営業利益の増減(同12P)
全体の増減要因+168億円は、主に売上増と改善効果等によるもの。
また、セグメント別売上高・営業利益は、今3Q決算までの傾向と同じため、資料の13-16ページは割愛と変化ないため割愛し、前回予想比で説明する。
●情報通信ソリューション:データセンタ関連製品等の売上増や為替影響により、約18億円上回った。
●エネルギーインフラ:機能線や相配電部品の売上増や原価低減等により、約16億円上回った。
●自動車部品・電池:為替や労務費上昇に伴うコストアップに対するユーザーとの価格交渉が進んだことにより、約20億円上回った。
●電装エレクトロニクス材料:銅価が想定より安定したことでプラスとなり、約19億円上回った。
●機能製品セグメントとサービス開発等:ほぼ全回予想並み。
〇26年度予想
●セグメント変更(同19P)
26年度より、マーケットを軸にした6つの新セグメントに再編し、データセンタ領域での事業成長を加速させていく。
●予想(同20P)・・・今年度より上期下期別に開示する
年間見通しの売上高は1兆4,600億円、営業利益は950億円、経常利益は1,000億円、当期利益は820億円の予想。売上高と営業利益の詳細は後ほど説明。
データセンタ関連製品が売上増となる見込みであり、前年度比で増収、各段階損益においても増益となる。
為替・銅建値の前提は資料に記載の通り。為替は150円/ドル(25年度151円/ドル)、銅建値2,000円/キログラム(同1,695円/キログラム)。
〇売上高の増減要因(同21P)
地金価格の変動影響は+487億円、為替影響▲43億円、実質的な変動は+1,080億円。実質的な変動の内訳は、光ソリューションで約450億円増加、情報コンポーネントで約2,100億円増加、メタルソリューションで約250億増加、エネルギーインフラで約100億円減少。サービス開発等には、古河電池グループの非連結化の影響、約1,590億円減少を含んでいる
〇営業利益の増減要因(同22P)
売上高の実質的な増加により+505億円。賃金上昇による人件費増加や売上増に対応すべく、その他固定費が▲250億円増加するが、生産性改善や価格の適正化、製品ミックス等による改善効果で+105億円を見込み、25年度比で311億円の増益となる。
〇セグメント別 売上高・営業利益(同23P)
割愛。
〇セグメント別 営業利益(同24P)
26年度の営業利益は、前年比で+311億円。そのうち、データセンタ関連製品等の売上増に伴い、光ソリューションと情報コンポーネント、2つのセグメントは2倍以上の営業利益となる。特に、情報コンポーネントは、水冷モジュールの増産効果が本格的に発現する下期に増加する。
●光ソリューション(同25P)
データセンタ市場は引き続き環境で、データセンタ関連製品等の売上増により増益見込み。
●情報コンポーネント(同26P)
データセンタ市場は引き続き活況で、注力ポイントに記載した高付加価値製品の増産、拡販により、データセンタ関連製品の増収により増益見込み。
●エネルギーインフラ(同27P)
国内超高圧や再エネ関連機能線の需要は引き続き堅調。前年比減益だが、事業特性上の想定内。
●自動車電装システム(同28P)
自動車生産台数は前年並み生産性の改善を実施するが、人件費高騰や自動化に伴う固定費増加や中国地域での競争激化による減益を見込む。
●メタルソリューション(同29P)
為替や銅価変動の影響を除くと、ほぼ前年並みの売上。エレクトロニクス関連製品需要は緩やかな回復傾向であり、高付加価値製品の拡販による製品ミックスの改善を実施し、増益を見込む。
〇設備投資額・減価償却費・研究開発費(同30P)
25年度の設備投資は、コストダウンを進めた結果、前回予想費を下回り、567億円となった。
26年度の設備投資は、主に光ソリューションと情報コンポーネントへの投資を進め、前年比933億円増の1,500億円の予定。
また、研究開発は、将来の成長に向けた研究開発投資を継続する。
<参考>
図表3、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)