5月18日10時、SWCCは14日に発表した26/3期決算を受けて説明会を開催した。説明委に使われた資料はこちら。
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<26/3期実績>

〇実績(過去最高益の更新)
売上高は2,777億円(前年度比16.8%増)、営業利益は273億円(同30.5%増)、経常利益は261億円(同131.8%増)、当期利益は188億円(同65.3%増)となり、営業利益は3年連続、当期利益は2年連続で過去最高益を更新した。
〇理由
銅価格の高騰が売上高を押し上げたほか、TOTOKUのグループインによる通信・コンポーネンツ事業の売上増、そして米国データセンター向け光ファイバの需要急拡大が大きく寄与した。
図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇中計目標の達成と配当
旧中期経営計画「Change & Growth SWCC 2026」の目標を1年前倒しで達成した。これに伴い、期末配当予想を当初の110円から23円増配し、年間223円した。
〇セグメント別の業績
・エネルギー・インフラ事業:売上高1,319億円(同2.4%増)、営業利益204億円(同21.9%増)。戦略製品である「サイコネックス(SICONEX)」の増産効果により、旺盛な電力インフラ需要を確実に取り込んだ。建設関連は人手不足等により厳しい環境だったが、期末の銅価急騰による一時的利益の押し上げもあり増収増益となった。
・通信・コンポーネンツ事業:売上高1,384億円(同35.3%増)、営業利益69億円(同42.5%増)。米国AIデータセンター向け光ファイバケーブル「e-Ribbon」が下期から急拡大し、半導体検査装置向けのコンタクトプローブも好調に推移した。一方で、産業用事業は計画未達で不調に終わった。
<27/3期予想>
〇見通し(6期連続の増収増益)
成長事業の売上拡大を牽引役として、売上高3,250億円、営業利益285億円、当期利益185億円を計画。
図表2、27/3期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇株主還元:引き続き株主還元の充実を図り、配当金は前年度比27円増配の年間250円(中間110円、期末140円)を予定。
〇リスクへの対応:中東情勢の緊迫化による材料費や物流費の上昇リスクについては、販売価格への転嫁を進めるものの、一部既契約分への適用が困難なことを想定し、一定のマイナス影響(▲5億円など)を保守的に業績予想に織り込んだ。
<中期経営計画と今後の成長戦略>
新中期経営計画「Transformation for Growth SWCC 2030」をスタートさせ、これまでの構造改革中心の経営から、成長投資によって事業成長を生み出す「ROIC経営2.0」へと深化させる。
※成長投資48億円について
同社が掲げる3つの「成長事業」に対して具体的に以下のように配分され、使われる計画。
1. 電力インフラ事業(25億円)
・「サイコネックス(SICONEX)」の増産:戦略製品であるサイコネックスの第2期増産投資に充て、シェア拡大とデファクトスタンダード化を推進する。
・「e-Cable」の適用拡大:工事の工数を削減する省力化ソリューションであるe-Cableの販売を拡大し、変電のみならず送電の需要も取り込んでいく。
2. 通信(海外)事業(14億円)
・「e-Ribbon」の増産体制構築:米国データセンター向けに需要が急拡大しているe-Ribbonの増産投資を行う。国内を中心としつつ海外での生産も見据え、国内外での生産体制を整えていくための投資。
3. 半導体事業(9億円)
・「コンタクトプローブ」の増産と地産地消:半導体検査装置向けコンタクトプローブの増産投資を行う。特に中国市場での需要を取り込むための増産体制整備(地産地消)を進める。
・「高周波同軸ケーブル」の増産:半導体検査装置のトップメーカーへの採用が拡大していることを受け、増産をかける。
・「アクティブ除振台」の開発:次世代モデルの開発に投資する。
〇成長事業への積極投資:26年度は成長投資として48億円を計画。電力インフラでの「サイコネックス」、通信(海外)での「e-Ribbon」、半導体分野での「コンタクトプローブ」等の増産体制構築に注力し、シェア拡大と収益性向上を図る。
※「e-Ribbon」について
米国では生成AIの普及に伴うハイパースケールデータセンター(HSDC)向けの需要が急拡大しており、昨年度(25年度)の下期からe-Ribbonの売り上げが大きく伸びている。同社は、この旺盛な需要が今後も続くと捉えており、具体的な見通しと対応として以下の計画を掲げている。
・大幅な売上拡大計画:26年度の通信(海外)セグメントの売上高は前年度比137%増の169億円を計画しており、その牽引役がe-Ribbon。売上規模としては、25年度の実績を「1」とした場合、26年度には4.5倍、30年度には7.9倍へと急拡大させる計画。
・国内外での増産体制の構築:すでに国内での増産投資が売り上げに貢献し始めているが、今後は海外での生産も見据え、国内外で供給体制を整えていく方針。
・長期契約による安定受注:パートナーや顧客との間で長期契約の締結が継続して進んでおり、今後の売り上げを安定的に獲得できる環境が整ってきている。
〇キャッシュ・カウ事業(国内建設市場)の効率化:SFCCの完全子会社化や、汎用光ファイバ事業の冨士電線への集約など、グループ一体経営を推進。物流の最適化やDXを通じた業務効率化によりキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)を短縮し、創出したキャッシュを成長事業へ投下する。
※キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)を82日から70日へ短縮する計画。その中で、棚卸回転日数を47日から40日へと短縮することも目指す。
具体的な実現の取り組みとして、以下のとおり。
・グループ経営の強化(意思決定の迅速化):関連会社であるSFCCを完全子会社化し、グループ一体となった経営を実現。汎用の光ファイバ事業を冨士電線に集約し、効率的な経営を進める。
・物流・業務の効率化とDXの推進:配送力・物流最適化:グループ全体で物流の最適化を図り、最適配送システムを構築することで、棚卸資産(在庫)の圧縮やリードタイムの短縮を進める。業務効率化・DX:SFCCや冨士電線において顧客支援WEBサイトを立ち上げ、顧客と情報を共有しながら業務効率化を進めるとともに、販売機会の創出や人手不足への対応を促進する。
〇刷新・課題事業の構造改革:モビリティや産業用分野においては、中国等でのワイヤハーネス生産拠点の再編、国内の山元工場閉鎖による外注化など、固定費のスリム化や不採算製品の撤退といった構造改革を継続。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)