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阪和興業:26/3期決算・中期経営計画2028の説明会を開催

2026/05/20 16:42
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阪和興業:26/3期決算・中期経営計画2028の説明会を開催

 5月20日、阪和興業は12日に発表した26/3期の決算及び同日発表した中期経営計画2028を受けて機関投資家・アナリスト向けに説明会を開催した模様。まず、決算資料はこちら。中計資料はこちら

 

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<25年度決算概要>

〇業績

 売上高は前期比4%増の2兆6,626億円となったものの、経常利益は前期比13%減の522億円、当期利益は16%減の382億円となった。通期見通し(550億円)に対する経常利益の達成率は95%。

 

図表1、26/3期実績(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇セグメント別の詳細な増減要因

●鉄鋼(387億円・増益)

 国内の鋼材需要は低調だったが、一部海外子会社の採算改善や持分法投資利益の拡大により増益となった。

●プライマリーメタル(▲1億円・赤字転落)

 SAMANCOR社からの持分法投資損益が大幅に悪化したことで、利益が押し下げられた。

●リサイクルメタル(13億円・減益)

 アルミなどの採算悪化や、価格上昇に伴う一過性のデリバティブ評価損などにより減益となった。

●食品(30億円・増益)

 米国子会社での外食産業向け販売の好調や、新規連結子会社の寄与により増益となった。

●エネルギー・生活資材(85億円・減益)

 石油製品で利幅の取りづらい環境が続いたことや、化学品の採算悪化により減益となった。

●海外販売子会社(55億円・減益)

 主に鉄鋼製品の採算が悪化したことで減益となった。

●その他(21億円・減益)

 住宅資材での欧州材の採算悪化や、機械事業の国内子会社の採算悪化が響いた。

 

〇実力経常利益

 期末の為替評価やデリバティブ評価、一過性要因を除いた「実力経常利益」は556億円、この基準での目標達成率は101%となった。

 

<中期経営計画2025の総括>

〇未達項目とその背景

 海外の鉄鋼市況低迷や事業環境の急変により、経常利益(目標700億円に対し実績522億円)、グローバル鉄鋼取扱重量(目標1,700万トンに対し実績1,433万トン)が未達となった。

 

〇達成・超過項目(財務・還元)

●資本効率と健全性

 ROEは期間平均12.8%(目標12.0%)、ネットDERは0.6倍(目標1.0倍以下)と目標を達成した。また、自己資本比率は26.2%から35.3%に改善し、格付けも「A-」から「A」へ向上した。

●株主還元

 DOE(自己資本配当率)は3.4%と目標下限(2.5%)を上回り、累計120億円の自己株式取得を実施した。

 

〇投資とキャッシュアロケーション

 累計800億円の投融資枠に対し、実行ベースでは688億円(進捗率86%)だったが、承認済みベースでは目標を達成した。また、政策保有株式を62銘柄(122億円分)売却し、連結純資産比率を21.7%から15.7%へ低下させた。

 

<中期経営計画2028>

〇基本方針

 これまでに強化した財務基盤とリスク管理体制を土台とし、「非連続的成長に資する攻めの事業投資」へ転換。キャッチフレーズは「Go Beyond 〜殻を打ち破れ〜」。

 

〇定量目標(最終年度:2028年度)

 経常利益750億円、ROE:12.0%以上、ネットDER1.0倍程度(規律あるレバレッジの活用)、投融資枠3年累計で1,600億円(全中計の2倍の枠を設定)、グローバル鉄鋼取扱重量1,700万トン。

 

〇PBR改善策

 同社の資本コスト(8〜9%)を上回るROEを維持しつつ、成長への期待感を高めることでPERを向上させ、PBR1倍以上の達成を目指す。

 

<事業ポートフォリオと成長戦略>

〇グローバル展開とM&A

 国内事業で生み出したキャッシュを原資に、海外展開を加速させる。将来的に海外売上高比率を現在の38%から50%へ引き上げる。特に、欧米市場においては新たに「欧米戦略担当役員」を配置し、M&A戦略を導入して事業基盤の構築を図る。

 

〇2つの重点テーマ

●ユーザー課題解決型ビジネス

 ユーザー単独では難しい調達の最適化(加工ソリューション、エンジニアリングなど)を同社がデザインし、提供する。

●社会課題解決型ビジネス

 環境配慮型原料(バイオカーボンやRPFなど)、電池原料、再生可能エネルギーといった、調達が困難な資源の安定供給チェーンを構築する。

 

〇事業の磨き上げ・再構築

 各事業を「次世代成長領域」「成長牽引領域」「基盤キャッシュ創出領域」「収益構造改革領域」に分類し、投資と撤退(入れ替え)を推進することでポートフォリオを最適化する。

 

<経営基盤の強化(人的資本・DX・サステナビリティ)>

〇人的資本戦略

 創業者・北二郎の言葉「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」を実現するため、風通しの良い組織風土の醸成、MBA派遣の大幅拡張(3年で45名)、グローバル人材やDX人材の育成に取り組む。

 

〇IT/DX戦略

 新たに「デジタル推進室」を設立し、「Project SAI」を始動。生成AIやデータ分析の活用、営業業務管理システム(SFA)の全社導入により、生産性と業務効率を向上させる。

 

〇サステナビリティ戦略

 脱炭素・資源循環に関する環境関連サービスの強化(攻め)と、ESGリスク管理やサプライチェーンにおける責任ある事業運営(守り)を両立させる。

 

<キャッシュアロケーションと株主還元>

〇キャッシュアロケーション

 3年間で創出する基礎営業キャッシュフロー1,700億円に対し、投融資に1,600億円(成長投資1,200億円、最適化400億円)、株主還元に550億円を充てる。不足分は、ネットDER1.0倍程度までの有利子負債の活用や、政策保有株式の縮減(純資産比率10%目標)などの資産入れ替えで賄う。

 

〇株主還元の強化

●安定的かつ累進的な配当を基本とし、DOE(自己資本配当率)の下限を従来の2.5%から3.5%へ引き上げる。

●新たに「総還元性向40%程度」を目標として設定し、予見性を高める。

●直近の施策

 26年度は一株当たり年間配当金を66円(8円増配)と見込み、さらに50億円の自己株式取得を予定。取得した自己株式は27年1月に消却する予定。

 

<参考>

図表2、27/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表3、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

 

(IRuniverse 井上 康)

井上 康

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