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2026年3月 コバルトくず輸出統計分析 数量持ち直しもスポット依存――高値維持下で不安定推移

2026/05/24 15:06
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2026年3月 コバルトくず輸出統計分析 数量持ち直しもスポット依存――高値維持下で不安定推移

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(詳細分析)
■輸出数量では、3月は19トンと、2月(1トン)から急回復(前月比1,900%)。前年同月比でも127%と前年を上回った。英国向け5トン、米国向け2トン、「その他」12トンが中心で、1月のシンガポール向け大口案件依存からは構図が変化。「その他」12トンの内訳は、実質的にドイツ向け12トン(単価1,186円/kg)で構成され、3月のコバルトスクラップ輸出は英米に加え欧州向け出荷が下支えした格好となった。

ただし1-3月累計は82トン(前年比85%)と前年割れが続いており、依然としてスポット案件依存・月次変動の大きい不安定な輸出構造にある。

(表―1、グラフ―1)。



 

■数量構成では、2月→3月で、米国が100%→11%へ低下する一方、英国が0%→26%、「その他」が0%→63%へ拡大した。2月の米国単独出荷から、3月は英国・その他中心の分散型へ再転換した形である。
ただし総数量は19トンと依然小規模で、構成変化は継続需要の拡大ではなくスポット案件による振れの色彩が強い。コバルトスクラップ輸出は引き続き、月次変動の大きい不安定な市場構造にある。
(グラフ―2)。


 


■金額面では、3月単月は29百万円と、2月の0.8百万円から急回復(前月比3,745%)、前年同月比でも175%となった。ただし1月の135百万円にはなお届かず、変動の大きさが続く。
内訳では、英国向け9百万円、米国向け5百万円に加え、「その他」14百万円が全体を押し上げた。一方、1月に125百万円を占めたシンガポール向けは引き続きゼロ。
1-3月累計は165百万円(前年比142%)と前年超えを維持するが、依然として1月のシンガポール特需依存の色彩が強い。総じて、スポット案件主導による不安定な輸出構造が継続している。
(表―2、グラフ―3)。

 

■輸出FOB単価では、全体平均は2月のキロ772円から3月1,522円へ急反発した。3月は円安進行もあり円建て単価を押し上げたが、主因は英国向け(1,895円/kg)や米国向け(2,602円/kg)の高単価案件回帰にある。
一方、LMEコバルトは2月55,858ドル/トン→3月55,848ドル/トンと高値圏横ばい。市況変化は限定的で、FOB単価上昇は円安+仕向け地ミックス改善(高単価案件増)による影響が大きい。もっとも、数量は小規模で月次変動が大きく、依然としてスポット案件主導の不安定な価格形成が続いている。

(グラフ―4)。
 

税関別実績数量・FOB(JPY/Kg)カッコ内は前月

国別税関別実績数量・FOB(JPY/Kg)カッコ内は前月


■今後の展望
コバルトスクラップ輸出は、引き続きスポット案件依存で数量変動の大きい展開が続く見通し。3月は英国・米国向けで持ち直したが、シンガポール向け特需の再現性は低く、基調的な需要回復とは言い難い。
価格面では、DRコンゴの供給制約を背景にLMEコバルトは高値圏を維持。加えて3月以降の円安が円建てFOBを下支えする一方、EV・電池材需要の鈍さから数量回復は限定的となりやすい。総じて、「数量は不安定・価格は高止まり・需要回復は緩慢」という構図が続く公算が大きい。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

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