英調査会社Omdiaは4月、2025年の世界半導体市場の年間売上高が8,300億ドル(約124兆円)を突破したとする調査結果を公表した。(2026Q2)Omdia: Semiconductor market surpasses $830bn in 2025, driven by AI demand and broad segment growth
前年比20%超の成長が2年連続で記録されたのは、OMDIAが2001年に市場追跡を開始して以降初めてのことである。この急成長の背景には、AI関連半導体への旺盛な投資があるが、成長の果実が一部の企業に集中している点や、需要の持続性に対する不確実性など、産業構造全体を見渡すと複層的な課題も浮かんでいる。
今回は、AI需要を軸としたDRAM市場の急拡大、トップ企業への収益集中がもたらす競争環境の変化や半導体市場が1兆ドルに到達するための条件、そして、今後の展望について2階に分けて取り上げたい。
●2年連続20%という成長という異例の記録
Omdiaのデータによると、2025年の世界半導体売上高は8,300億ドルを超え、前年に続いて20%以上の年間成長率を達成した。同社が市場の追跡を開始した2001年以降、2年連続でこの水準の成長が記録されたことはなく、半導体産業にとって前例のない局面に入ったことを示している。
この成長を支えた構造的な要因は、AI関連の半導体需要である。データセンター向けのGPUやアクセラレータへの投資が世界的に拡大し、それに伴ってメモリやネットワーク向け半導体の需要も連鎖的に増加しました。2024年には自動車、民生、産業の各セグメントが前年比で減収となっていたが、2025年にはすべての主要アプリケーション分野で売上が増加に転じている。つまり、AI需要だけでなく、景気循環的な回復も重なったことが、この異例の成長率を実現した背景にあると考えられている。ただし、この数字を額面通りに受け取るだけでは、実態を正確に把握することは難しい。成長率の大きさは、2023年の市場低迷という「谷」からの反動を含んでおり、基準年の影響を割り引いて評価することが必要となる。
