イギリスの製造業者団体であるMake UK(旧エンジニアリング雇用者連盟)は6月16日、ホームページ上で、「アルミスクラップの国外流出が深刻化している」とのレポートを発表した。米国向けやインド向けが急増し、国内の資源不足が不安視されるという。
■米国の関税免れ輸出急増、インドや中国向けも増加

レポートによると、2024-25年度の英国のアルミニウムスクラップ輸出は米国向けが2万4000トンと以前の10.9倍に増えた。インド向けも20万トン、香港を含めた中国向けは17万3500トンと多かった。対米輸出の急増は、2025年のトランプ関税でアルミスクラップが対象外になったことが背景にあるとみられている。
レポートは、英国の産業界が2035年までに800万トン規模のアルミニウム需要があると試算すると、最大600万トンのリサイクル用スクラップを必要とする可能性があると指摘した。スクラップ不足は、企業の海外移転を招くだけでなく、安全保障の面でも問題があるとしている。
■バージンの供給不安で国際的な争奪戦
アルミスクラップは国際的な争奪戦の様相を呈している。英国の輸出先とされる米国も、アルミスクラップ輸出を巡る関係者間の対立が鮮明化している。
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アルミ価格は特に2月の中東紛争の勃発後に上昇を続けてきた。精錬に大量の電力を使うため、湾岸の石油施設に対する攻撃が火力発電不足を生み、アルミ生産が細るとの見方が多い。中東紛争は米イランの終結合意でひとまず停戦の方向だが、傷ついたアルミの生産や供給が早期に回復する見込みは薄い。
バージンの供給不安がぬぐえない中、世界的にアルミスクラップへの注目が高まる。日本でもスクラップの1つである飲料缶プレスのUBC価格は過去20年間での最高値圏に急伸している。
過去20年間のアルミUBC(飲料缶)プレス品価格の推移(JPY/kg)
