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トランプ政権の銅関税判断が市場の焦点 3つのシナリオに揺れる銅相場

2026/06/20 09:49
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19日ブルームバーグ記事によると、現在の国際銅市場における最大の注目材料は、トランプ米政権が精錬銅輸入に関税を課すかどうかという点だ。6月末に提出される商務長官報告書を受けて最終判断が下される見通しで、市場関係者はポジション調整を手控えながら結果を見極めている。


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銅市場ではこの1年、関税観測を背景にCOMEX価格がLME価格を大幅に上回る状態が続き、世界中から米国向けに銅が流入した。COMEX在庫は60万トン超へ積み上がる一方、LME在庫からは大量の出庫が続いている。




 

市場では大きく3つのシナリオが意識されている。
■① 15%関税発動(強気シナリオ)
最も強気なケースは、2027年1月から15%の精錬銅関税が発動される場合だ。
この場合、関税発効前に世界中の銅が米国へ向かう動きが再加速し、COMEXプレミアム拡大とLME在庫減少が進む可能性が高い。トランプ政権が2028年以降30%への引き上げ方針まで示せば、相場は再び史上最高値を試す展開も想定される。
モルガン・スタンレーはこのケースの確率を43%とみている。

■② 関税見送り(弱気シナリオ)
一方、関税が見送られれば米国向け輸送の採算が消失する。
これまで関税を見越してCOMEX倉庫へ積み上げられた在庫が逆流し、まずLME倉庫へ戻る動きが発生する可能性がある。供給逼迫感は緩和され、銅価格には下押し圧力となりそうだ。
BNPパリバのデービッド・ウィルソン氏は、
「原料に関税を課しても新たな供給は突然増えない。論理的には合理性に欠ける」
と指摘している。

■③ 判断先送り(市場の本命)
もっとも市場では、関税方針そのものを維持しながら判断を先送りするとの見方も少なくない。
BNPパリバはこのシナリオを有力視しており、実現した場合は現在の状態が続くことになる。米国内の高水準在庫は維持される一方、追加流入も継続し、銅市場は関税リスクを織り込みながら推移するとみられる。

■長期的には依然強気
短期的には関税判断次第で相場変動が激しくなる可能性があるが、多くのアナリストは長期的には依然として銅市場に強気だ。
AI向けデータセンター建設、送配電網投資、EV化などによる需要増加が続く一方、グラスバーグ鉱山の復旧遅延やTC/RCのマイナス化、中国製錬所の黄鉄鉱シフトなど供給面の問題は解消していないためだ。
市場関係者の間では、
「短期はトランプ関税で乱高下、長期は供給不足で上昇」
という見方が支配的になりつつある。今後数週間のワシントンの判断が、銅市場の次の方向性を決定する重要な分岐点となりそうだ。


(IRUNIVERSE S. Aoyama)
 

青山 雫

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