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【SUSscrap】韓国ポスコ、7月積みステンレススクラップ購入価格を想定外の引き上げ —— 指標下落を覆す深刻な在庫不足と流出防衛策

2026/06/26 08:27
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【SUSscrap】韓国ポスコ、7月積みステンレススクラップ購入価格を想定外の引き上げ —— 指標下落を覆す深刻な在庫不足と流出防衛策

韓国ポスコ(POSCO)は、7月積みとなる国内向けステンレススクラップの購入価格を改定し、サプライヤー各社への通知を行った。主力鋼種を中心に軒並み引き上げとなっており、改定後の価格は以下の通りである。
304系(SS304): キロ当たり 2,140ウォン (前月比 90ウォン引き上げ)
316系(SS316): キロ当たり 4,200ウォン (前月比 100ウォン引き上げ)
 

POSCO304316400
2025年12月1,8103,510ー
W▼10▼100ー
1円=9.33won194円376円ー
100W=10.71円▼1円▼12円ー
2026年1月1,7903,500ー
W▼10▼10ー
1円=9.16won195円382円ー
100W=10.91円△1円△6ー
2026年2月1,8703,620ー
W△80ーー
1円=9.41won198円390円ー
100W=10.61円△3円ーー
2026年3月1,8553,680ー
W▼15ーー
1円=9.24won200円398円ー
100W=10.82円△2円△8円ー
2026年4月1,8803,800ー
W△25△120ー
1円=9.42won199円403円ー
100W=10.61円▼1円△5円ー
2026年5月1,9503,900ー
W△70△100ー
1円=9.22won211円422円ー
100W=10.84円△12円△19円ー
2026年6月2,0504,000ー
W△100△100ー
1円=9.40won218円425円ー
100W=10.63円△7円△3円ー
2026年7月2,1404,200ー
W△90△100ー
1円=9.56won223円438円ー
100W=10.44円△5円△13円ー

 

 為替円ドルSUS304 scrapSUS430 scrapLMEニッケル相場 (月平均)$/トンLMEニッケル在庫 (月末トン)ASIA SABOT ($/トンCIF)韓国国内価格304(Won/kg)
 (TTS)メーカー炉前ベース(円/㎏)メーカー炉前ベース(円/㎏)
2026年1月157.78185~19565~7217,844285,5521150~12501790
2月156.13185~19565~7217,132286,2341150~12501870
3月159.68190~20065~7217,093282,2401150~12501855
4月160.33195~20565~7418,005277,3981250~13501880
5月159.38220~23065~7418,805276,8641350~14501950
6月161.58225~23567~7617,865274,8301360~14602050
7月      2140

(*6月の数値および平均値は6月26日現在時点)

■ LME指標と乖離した価格設定の背景
今回の価格改定において市場が最も注目すべき点は、国際的な指標との乖離である。LME(ロンドン金属取引所)ニッケル相場の平均インデックスをベースとした従来の価格算定モデルに従えば、7月積みの購入価格は「下落」の公算が大きいと市場関係者の多くが試算していた。
しかし、ポスコは事前の下落予想に反して、キロ当たり90〜100ウォンという明確な引き上げに踏み切った。この異例とも言える価格改定の背景には、指標の変動を凌駕するほど逼迫した「韓国国内の需給バランス」と「原料確保に向けた防衛的措置」が強く作用している。
具体的には、以下の3つの要因が価格を強力に押し上げた。

最近のLMEニッケル相場は下落しておりますが・・・


ファーストベンダー(指定問屋)における在庫枯渇:
ポスコへ直接納入を行う一次ベンダー各社において、スクラップの集荷難による深刻な在庫不足が発生している。
ポスコ自体の原料在庫の減少:
ベンダー側の在庫不足は、そのままポスコ自身のスクラップ在庫の低下に直結しており、足元の安定操業を維持するための原料確保が急務となっている。
スクラップの国外流出(輸出)防止:
国内市況が低迷した場合、サプライヤーがより条件の良い海外市場へスクラップを輸出するリスクが高まる。ポスコは購入価格を引き上げることで国内価格にプレミアムを持たせ、貴重な資源であるステンレススクラップの国外流出を水際で防ぐという防衛的なインセンティブを働かせている。

しかしながら、在庫不足(*韓国国内でのステンレススクラップ発生不足=日本も同じ)だからといって輸入が増えるかというとそうでもなさそうだ。というのもポスコは輸入価格も韓国国内の単価と同水準にしている。日本国内では中部地区の特殊鋼メーカーが304系でキロ240円まで引き上げているため、日本の輸出シッパーの価格競争力は強いとはいえない。
 

■ 総括
「LME相場に連動してスクラップ価格が決まる」という基本的なセオリーから逸脱した今回の決定は、ステンレススクラップが単なる相場商品ではなく、実需に基づいた戦略物資としての側面を強めていることを示している。今後のスクラップ市況を読み解く上では、LMEなどのマクロ指標に加え、メーカーおよびベンダーの在庫水準や、資源流出を防ぐための各国の国内プレミアム動向といった「ローカルな需給要因」をこれまで以上に注視していく必要がある。

YT

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