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2026年4月 モリブデン輸入統計分析 三酸化モリブデン輸入、価格は高値圏維持 円安でCIF続伸、チリ依存なお鮮明

2026/06/27 04:37
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2026年4月 モリブデン輸入統計分析 三酸化モリブデン輸入、価格は高値圏維持 円安でCIF続伸、チリ依存なお鮮明

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【貿易統計/日本】 2026年4月のモリブデン輸入推移統計
特殊鋼需給統計/時系列:一般社団法人日本鉄鋼連盟 (jisf.or.jp)


為替相場推移 TTS 3か月

 

(三酸化モリブデン輸入)
■数量面では、
4月単月は3,083トンと、3月(2,447トン)から増加し前月比126%、前年同月比でも119%と回復した。主力のチリ品は2,181トン(前月比134%、前年同月比123%)と大幅に増加し、全体を牽引した。一方、米国品は282トン(前月比68%)と減少したものの、メキシコ品は220トン(同110%)と増加し、「その他」も400トン(同200%)と大きく伸びた。「その他」400トンの内訳は、韓国160トン、台湾80トン、ベトナム60トン、タイ60トン、中国20トン、オランダ20トンで構成される。韓国が最大を占める一方、台湾や東南アジア諸国からの調達も一定規模を維持しており、多方面からの補完的な輸入が続いている。
1~4月累計は1万599トンと前年同期比106%で、前年をやや上回る水準を維持。供給の中心は引き続きチリ品が占めるものの、「その他」の増加も目立ち、調達先の多様化が進む動きもうかがえる。(表―1、グラフ―1)。



 

■数量構成では、4月は米国が17%→9%へ低下、メキシコは8%→7%と小幅低下した。一方、主力のチリは67%→71%へ上昇し、再び全体の約7割を占める中心供給国としての存在感を強めた。「その他」も8%→13%へ拡大した。結果として、主要3国(米国・メキシコ・チリ)の合計シェアは92%→87%へやや低下したものの、供給構造は引き続きチリ主導で推移している。(グラフ―2)。


 

■金額面では、4月単月は164億43百万円と、3月(115億76百万円)から増加し前月比142%、前年同月比でも159%と大幅に伸長した。主力のチリは113億82百万円(前月比152%、前年同月比162%)と大幅増となり、全体の拡大を牽引した。
国別では、メキシコが12億22百万円(前月比119%)へ増加した一方、米国は15億67百万円(同75%)と減少した。「その他」は22億71百万円(同228%)と大幅に増加し、全体を押し上げた。
1~4月累計は518億50百万円と前年同期比123%。金額面でもチリが引き続き中核を担う一方、「その他」の寄与拡大により調達先の多様化も進んでいる。(表―2、グラフ―3)。



 

■輸入CIF単価(JPY/kg)は、4月は5,333円/kgと、3月の4,731円/kgから上昇し前月比113%となった。4月は円安が進行したことに加え、国際モリブデン価格の上昇を背景に円建て輸入価格が一段と押し上げられた。
国別では、米国品が5,012円→5,556円/kg、メキシコ品が5,143円→5,554円/kg、主力のチリ品も4,577円→5,219円/kgへそろって上昇し、主要調達先で全面高となった。
この結果、4月は国際価格の上昇と円安が重なり、主要供給国の単価が一斉に切り上がる形で全体平均も5,000円台へ回復した月と整理できる。(グラフ―4)。

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 (   )内は前月実績

 主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績  (   )内は前月実績


■今後の展望
モリブデン市場は、世界生産・消費とも緩やかな増加基調にあり、IMOA統計では需給はおおむね均衡を維持している。中国の堅調なステンレス生産が需要を支える一方、日本や欧州では特殊鋼需要の回復が鈍く、価格を一段と押し上げるほどの需給逼迫には至りにくい。
日本鉄鋼連盟統計でも、特殊鋼・ステンレス粗鋼生産は持ち直しつつあるものの、本格回復にはなお距離があり、実需の伸びは限定的とみられる。一方で円安基調の継続により、輸入CIF価格は高止まりしやすい環境が続く。
今後も日本の調達はチリを中心とした安定供給が軸となる見通しで、価格は円安による下支えを受けながら高値圏で推移する公算が大きい。ただし、中国需要の変動や主要鉱山の供給障害が発生した場合には、相場が再び大きく変動する可能性には注意が必要だ。


(フェロモリブデン詳細分析)
■数量面では、4月単月は61トンと、3月(77トン)から減少し前月比79%となった。ただし前年同月比では149%と前年を上回った。チリ品は60トンで前月横ばいとなり、ほぼ全量を占めた一方、「その他」は1トン(前月比6%)へ縮小した。
1~4月累計は264トンで前年同期比99%と、ほぼ前年並み。内訳では、チリ品が220トン(前年比92%)とやや前年割れ、「その他」は44トン(同169%)と増加した。
総じて4月は、チリ品が安定的に主力を維持した一方、その他ソースは再び縮小した。数量は前月から反落したものの、累計では前年並みを確保しており、チリ依存の強い小規模・変動型市場が続いている。(表―1、グラフ―1)。


 
 

■金額面では、4月単月は3億38百万円と、3月(4億47百万円)から減少し前月比76%となった。一方、前年同月比では166%と前年を大きく上回った。チリ品は3億33百万円(前月比98%)とほぼ横ばいを維持した一方、「その他」は4百万円(同4%)へ急減した。
1~4月累計は15億11百万円で前年同期比108%と前年を上回った。内訳では、チリ品が12億68百万円(前年比100%)と前年並みを維持し、「その他」は2億43百万円(同192%)と大幅に増加した。
総じて4月は、金額面でもチリ品への集中が一段と強まり、「その他」の減少によって全体は前月から縮小した。ただし累計では前年を上回っており、チリを軸とした調達構造に大きな変化はみられない。(表―2、グラフ―2)。


 
 

■輸入CIF(JPY/kg)単価は、全体平均で3月5,799円から4月5,535円へ小幅低下した。主力のチリ品も5,637円から5,552円へわずかに下落し、全体平均を押し下げた。一方で、4月は円安がさらに進行したことから円建て価格の下支え要因となり、単価の下落幅は限定的にとどまった。国際モリブデン価格は高値圏を維持しており、年末の6,000円台には届かないものの、調整局面は落ち着きつつある。総じて、国際価格の小幅調整を円安が吸収し、高値圏でのもみ合い局面へ移行しつつあるとみられる。(グラフ―3)。



 

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 (   )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績  (   )内は前月実績

(モリブデン酸塩詳細分析)
4月は4カ月ぶり実績の前月より1トン減少の16トン。
中国品0トン、米国品0トン、チリ12トン、インド4トン。

 

(モリブデン酸化物・水酸化物詳細分析)
■数量面では、4月単月は218トンと、3月(300トン)から減少し前月比73%となった。一方、前年同月比では242%と前年を大きく上回った。主力のチリ品は120トン(前月比75%)へ減少したほか、中国品も36トン(同58%)へ縮小した。台湾は38トンで横ばいを維持し、インドは20トン(同50%)へ減少、米国は4トンの小口輸入にとどまった。
1~4月累計は920トンで前年同期比106%と前年を上回った。内訳では、チリ品が500トン(前年比136%)と増加し全体を牽引する一方、中国品は195トン(同76%)、インド品は90トン(同64%)と前年割れが続いた。
総じて4月は前月の急増から反落したものの、累計では前年を上回る水準を維持している。引き続きチリが供給の中心を担う一方、中国など他地域の流入は限定的で、チリ依存の高い市場構造に大きな変化はみられない。(表―1、グラフ―1)。

 
   
 

■金額面では、4月単月は14億46百万円と、3月(19億11百万円)から減少し前月比76%となった。一方、前年同月比では316%と前年を大きく上回った。チリが8億34百万円(前月比80%)で最大の構成を維持し、中国は2億55百万円(同61%)へ減少した。台湾は1億92百万円(同88%)、インドは1億34百万円(同57%)といずれも縮小し、米国は31百万円の小口にとどまった。
1~4月累計は56億88百万円で前年同期比123%と前年を上回った。内訳では、チリが31億59百万円(前年比161%)と全体を牽引する一方、中国は12億45百万円(同88%)、インドは5億65百万円(同74%)と前年割れが続いた。
総じて4月は前月の急伸から反落したものの、累計では前年を上回る水準を維持した。金額面でもチリへの依存度が高く、中国やインドの回復は限定的で、供給構造に大きな変化はみられない。(表―2、グラフ―2)。
 



 

■輸入CIF単価は、4月に全体平均6,631円/kgと、3月(6,369円/kg)から上昇し、前月比104%となった。4月は円安がさらに進行したことも円建て価格の押し上げ要因となった。主力のチリ品は6,501円から6,947円/kgへ上昇し、中国品も7,081円/kgと高値を更新した。米国品は7,705円/kgと最も高い水準となる一方、台湾品は5,041円/kgと相対的に低位にとどまった。
総じて4月は、数量が300トンから218トンへ減少したにもかかわらず、円安と主要供給国の単価上昇を背景に輸入CIF価格は続伸した。モリブデン酸化物・水酸化物の輸入価格は、高値圏を維持しながら推移する局面が続いている。(グラフ―3)。


  
 

主要税関別数量・CIF(JPY/KG)実績 (   )内は前月実績

主要国別税関別数量・CIF(JPY/KG)実績  (   )内は前月実績

 


(IRUNIVERSE S. Aoyama)

 

青山 雫

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