豪州一の富豪であり、鉱業界一の大物でもあるGina Reinhart氏の非公開会社Hancock Prospectingは、6月26日、米国のX線技術開発企業であるLumitronに対して5,000万米ドルの投資を開始したことを報告した。同社は、2026暦年中にこの投資額を1億米ドルまで増額する権利も有しているという。
同社からの声明によれば、Lumitronは、がん治療、医療、鉱業および産業用途として、HyperVIEW™超高エネルギー電子(VHEE)ビームおよび先進的なX線技術プラットフォームを開発し、現在は商業規模のスケールアップと商業的な導入を目指しているとのこと。今回の投資はこの商業化を支援するものである。また、今回の投資により、Hancockはこれらの先進システムの3機種を豪州に導入する権利を確保した、とも説明されている。
HancockがLumitron社の技術審査委員会に派遣している2名の委員のうちの一人であるグレン・ライス博士は、HyperVIEW™を、「コンパクトな構造の中で、超高解像度のX線画像診断とVHEEビーム放射線治療機能を提供するように設計された、世界初の画像診断システム兼電子線放射線治療装置のプラットフォーム」と賞賛する。具体的に、この技術は“従来のX線システムに比べて100倍から1000倍高い画像解像度を実現し、既存の技術に比べて放射線被ばく量を最大100倍低減できる”ものであるという。なお、HyperVIEW™乳がん画像診断技術は、米国食品医薬品局(FDA)から『ブレークスルー・デバイス』の指定を付与されるなど、すでに大きな注目を集めているようだ。
同氏は、Lumitron社に関しても「臨床放射線治療における70年ぶりの根本的な変革を、あるいは臨床および産業用X線撮影においては130年ぶりの根本的な変革を象徴する」企業であるとコメントしており、非常に大きな自信が窺える。
同技術の鉱業分野での用途としては、「材料の形状や密度の分析に通常とどまる、従来の産業用X線システムを超えるもの」として、レーザービームがより詳細な分析を行い、鉱石中の不純物を検出する可能性があるものと考えられているという。Reinhart氏は、これにより「鉱山事業者は高価値の鉱石を選択的に処理できるようになり、結果として回収率が向上すると同時に、エネルギー消費量と全体的な処理コストを削減できる可能性もある」として期待を寄せる。