中国ネットニュースの捜狐(sofu)は7月3日、「中国政府が輸出を規制しているガリウムとゲルマニウムを日本向けに密輸していた企業とその幹部に、実刑が下った」と伝えた。規制直後の2023年8月から1年余り違法輸出を行ったという。一方で、中国は5月には小規模のガリウムを日本向けに輸出した。輸出規制で日本の顧客だけでなく中国側の輸出企業も打撃を受けており、調整している可能性がある。
■密輸チェーン構築で9000キロ輸出
報道によると、広州中級裁判所は6月、深圳株式市場に上場するハイテク大手、光智科技の子会社である安徽光智科技に対し、800万元(約2億円)の罰金を科した。密輸の首謀者とされた弁護士には懲役10年と100万元の罰金、日本担当の営業マネージャーに懲役8年、通関申告担当者に懲役3年と5年間の保護観察もそれぞれ科した。
3人は2023年8月から2024年12月まで16か月間にわたりガリウムとゲルマニウムを違法に日本向けに輸出したとされる。輸出量はガリウム・ゲルマニウム合わせて計9377kg、金額で約5676万元相当だった。
密輸の手口は2種類あったという。1つはガリウムとゲルマニウムを光学ガラスに作り替えて輸出する方法。もう1つは日本の顧客の資料から偽の申請書を作成して輸出認可を受ける方法だった。3人は弁護士の指揮のもと、密輸チェーンを構築していたという。
ガリウムの密輸事件は輸出規制直後にもあった。中国の輸出企業にとっても対日輸出が途絶えるのは打撃で、輸出の道を探ろうとしてしまう。
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■4か月ぶりにガリウム対日輸出を再開
一方、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストが6月21日に中国税関のデータとして伝えたところによると、中国は5月に6000kgのガリウムを日本に向けて輸出した。ガリウムの対日輸出は中国政府が軍民両用品の対日禁輸を始めた1月以来4か月ぶり。同月のガリウム輸出はこの日本向けだけだった。5月はゲルマニウムの対日輸出はなかった。
中国は日本向けだけでなく、世界に向けてもガリウムとゲルマニウムの輸出を大きく絞っている。ドイツ資源メディアのTRADIUMの5月報道によると、4月のガリウム輸出はわずか3kgをマレーシアに輸出しただけだった。ゲルマニウムはドイツ向けと日本向けにそれぞれ1kgだけで、ともにほぼゼロと言える。
供給不安を受け、ガリウム・ゲルマニウムともに価格は上昇の勢いを強め、ともに過去最高値圏にある。
過去20年間のカリウム価格の推移(EU SpotMarket)($/kg)

過去20年間の金属ゲルマニウム価格の推移(99.99% China)($/kg)
